地元・九州の球団にやって来た浜口です!リーグ2連覇と5年ぶりの日本一を目指すソフトバンク。春季宮崎キャンプで奮闘する選手の素顔に休日インタビューで迫る。第1回はDeNAからトレードで新加入した浜口遥大投手(29)。福岡県との県境にある佐賀県基山町の出身。チームの支配下選手で唯一の佐賀県出身で開幕ローテーション入りを目指す左腕を地元ネタ満載に深掘りした。 (聞き手・井上 満夫)
――佐賀県基山町の出身で九州に帰ってきた形になった。
「僕のことを“何者だ”と思ってらっしゃる方も多いと思います。徐々にですが知っていただきたいです。本当に温かく見守ってください(笑い)。今年からリーグも違うし、活動エリアも全然変わるんで」
――キャンプでは第1クールに2度ブルペン入り。現状は。
「まあ50%ぐらいです。もう少しやりたいこともありますし、修正していく部分がある。でも、けがなく投げられているところは順調」
――ところで、基山町は福岡との県境にあるが、佐賀の“がばい気質”はある?
「どっちかというと福岡寄りです(笑い)。遊びに行くのも福岡が多いし。方言も基山は割と博多弁に近いかなと思いますね。何しようと?とか」
――基山町といえば出身者にお笑いコンビのどぶろっく、人気漫画「キングダム」の作者・原泰久氏、巨人の長野選手らがいる。
「割と小さな町なのに、僕も含めてタレント豊富というか(笑い)
」
――JR鹿児島本線で博多駅から筑後ファーム施設の最寄りの筑後船小屋駅に向かう途中に基山駅がある。線路沿いには名店「丸幸ラーメンセンター」がある。
「僕はずっと丸幸派でしたね。ずっと行ってました」
――改めて地元・九州に帰ってきたと感じた瞬間は?
「それこそ入団して所用で佐賀に行ったんです。博多から電車で行ったんですけど通ったところがめちゃくちゃエモかった。“ここがこんなになってるんだ”とか“変わらんなあ”とか。なんか感動しました。特に鳥栖駅から長崎本線に入った時“帰ってきたなあ”って。最近、佐賀に全然帰ってなかったんで。何か懐かしい感じがしました」
――話題は変わってグラブについて。第1クールは投げるたびに3、4色違うものを使っていた。緑色だけで2種類、オレンジ、青もあった。
「オレンジ色だけちょっと形が違うんです。試合で使うのは3種類あって、練習用グラブもあるんです。どれを使おうかなっていう感じです。まあ、人とは違うものを結構使ってきた。そこを見ていただければ。個性として(笑い)」
――チームにはDeNAで同僚だった嶺井捕手がいる。個性的なハスキーボイスは聞き取れる?
「半分ぐらいですね。本当に“分からねえー”っていう時もある。何て言ってるか分からないけど、多分これを言ってるんだよなと。しっかりと聞き取れる時もあります」
――締めは真面目な話で。先発枠を競う上でのテーマは。
「試合の入り方とかは、大きく変わることはないんですけど。リーグも変わって野球も変わります。その辺は早くアジャストしてより良いものを出していきたいです。それこそ嶺井さんにもいろいろと話を聞きながらやっていきたいなと思っています」
▽佐賀県基山町 佐賀県の東端部に位置し、福岡県に面する。面積22.15平方キロの約3分の2が丘陵地で、人口は1万7561人(25年1月末現在)。古くから古代官道や長崎街道など主要道路が通り、交通の要衝地として発展。国の特別史跡「基肄(きい)城跡」など遺跡が数多い。福岡市、久留米市などの通勤圏内にある。
◇浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)1995年(平7)3月16日生まれ、佐賀県出身の29歳。三養基から神奈川大に進み、16年ドラフト1位でDeNAに入団。1年目の17年に10勝を挙げ、新人特別賞を受賞。21年には自身初の開幕投手を務めた。昨季は11試合登板で2勝4敗、防御率3・25。ソフトバンクとの日本シリーズ第6戦では救援で1イニングを3者凡退に抑え、26年ぶりの日本一に貢献した。通算135試合登板、44勝46敗2ホールド、防御率3・76。1メートル73、80キロ。左投げ左打ち。