日本ハムの沖縄・国頭2軍キャンプで汗を流しているドラフト1位右腕・柴田獅子投手(18=福岡大大濠)が、15日に1軍キャンプ地の名護で行われる紅白戦で実戦デビューする可能性が浮上した。投打で無限の可能性を秘める注目ルーキーで、まずは野手として1打席用意されることが有力。チームは今後の調整具合を見ながら、慎重に出場のGOサインを出すか判断するもようだ。
指揮官も注目する18歳。4日に柴田の打撃練習を見守った新庄監督は「僕の好きな打撃フォーム。ちょっとほれるぐらい」と大絶賛した。投打で無限の可能性を秘めるルーキーが、早くも1軍キャンプ地の名護で打席に立つ可能性が出てきた。
15日の紅白戦は1、2軍合同で行われる予定。まだ3日に室内での打撃練習を始めたばかりで、あくまで今後の調整の進み具合によって、出場の可否を判断する。出場しても、1軍首脳陣への“顔見せ”の意味合いで「1打席限定」が有力だ。ただ、室内での打撃練習を実施した柴田は「だいぶ慣れてきて、感覚的なものはつかめてきた」と手応えも口にしていた。
6日から始まる国頭の第2クール中には、野外でのロングティーを実施する予定で、その後は段階を踏みながら、フリー打撃も行う見込みだ。稲葉2軍監督は「そこで少し見させてもらうことになる。遠くに飛ばせる能力は持っているので“どういう打撃をするかな”という感じ」と状態を見極める。
最速149キロを誇り、高校通算19本塁打をマークした逸材。特に打撃スイングは、球団OBのドジャース・大谷翔平をほうふつさせる。「足を上げると無駄な動作になる」と柴田が説明するように、大谷ばりのノーステップ打法で快音を響かせている。
打撃向上のために工夫も凝らす。約900グラムの試合用バット以外に、長さや重さの違う2本のバットを用意。「自分で(3本のバットを)1軍、2軍、3軍と呼んでいて、2、3軍は自分に合っていない。でも、それで打てるようになれば1軍の(試合用の)バットも当たり前に振れるようになる」とティー打撃用の「3軍」、ロングティー用の「2軍」を使用し、独自の調整で打撃を磨いている。
球団は高い潜在能力を持つ逸材だけに、長期的な視野で育成する。今キャンプ中の1軍メンバー入りについても、新庄監督は「それはない」とし、焦らせるつもりはない。それでも、実戦デビューが実現すれば、ファンの注目も集めそうだ。