フジテレビの看板ドラマ枠「月9」で7月期に予定している作品が、制作中止の危機にあることが5日、分かった。人気若手女優の主演で航空業界が舞台のドラマを計画していたが、大手航空会社とのタイアップが白紙に。中居正広氏(52)の女性トラブルに関する同局の対応には依然として批判の声が大きく、その余波を受けた。
スポニチ本紙の取材では、局側は新たな企画の立ち上げに着手。ドラマ関係者は「既に主演女優らキャストのスケジュールを押さえてしまっていることから、出演者はそのままスライドして出演する方向」と説明。ただ肝心の新企画はまだ固まっておらず「現在は企画を検討している段階。現時点では新旧企画の“両にらみ”の状態です」(同関係者)という。
そのため現場では混乱が続いている。制作会社関係者は「航空会社のタイアップがなくなれば、撮影はほぼ不可能。かといって、局側から正式に“企画中止”の連絡もない。どうしたらいいのか、スタッフは困り果てています」と話している。
月9ドラマを巡っては、現在放送中の「119 エマージェンシーコール」でも撮影協力の横浜市会と横浜市消防局のクレジットが外された。またベテラン俳優が共演する4月期についても、首都近郊の自治体の協力下で撮影が始まっているが、「ロケ場所の確保が難航しており、セットをつくって撮影している場面もある」(ドラマ関係者)という状況だ。
現在は約80社もの企業がCM放送を見合わせており、その影響は7月期の月9にまで及んだ。例年のスケジュールは2月初旬までには企画が固まり、春には撮影を開始している。ドラマ関係者は「看板ドラマ枠を守るために現場は汗を流している。このような状況を経営陣は理解しているのか」とため息をこぼした。