トランプ米大統領は5日(日本時間6日)、出生時は男性ながら女性を自認するトランスジェンダー選手の女子競技参加を禁止する大統領令に署名した。
大統領選の公約に「女性スポーツから男性の排除」を掲げていたトランプ氏は「全米女性スポーツデー」の同日、ホワイトハウスで多くの女子選手に囲まれながら署名。「女子スポーツを巡る争いは終わった。我が政権は男性が女性アスリートを殴ったり、暴行したりするのを黙って見ているつもりはない」と演説した。
トランプ氏はまた、米国での大会参加を希望するトランスジェンダー選手からのビザ(査証)申請を拒否する方針も発表。国際オリンピック委員会(IOC)はトランスジェンダー選手の参加は各競技団体の判断に委ねるとしているが、28年ロサンゼルス五輪には出場できない可能性が出てきた。
トランプ氏は既に、トランスジェンダーの軍隊入隊禁止や19歳未満の性別適合医療への政府資金打ち切りなどの大統領令に署名。性的少数者の権利擁護を主張する団体などが訴訟を起こしており、今回も異議申し立てが行われる可能性が高いが、トランプ氏は全国的な即時施行を求めている。
米国では教育活動での性差別が法律で禁止され、トランスジェンダーの女子競技参加が認められてきたが、大学競泳で圧勝するトランスジェンダー選手に反発が起きるなど問題となっていた。トランスジェンダーの女子競技参加を認める学校や大学は今後、政府から資金援助を受けられなくなる可能性がある。