スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のジム・ボーデン記者が、MLB全30球団のフロントに取材、ア・リーグとナ・リーグの新人王候補について聞いた。その結果を基に、ボーデン記者自身の見解も交え、25年の新人王レースの構図をまとめている。
それによるとナ・リーグの最有力候補はナショナルズのディラン・クルーズ外野手(22)。右投右打で23年のドラフトでは全体2位指名を受けた。20本塁打・20盗塁が可能でライトの守備でも平均以上の活躍が期待できる。昨季マイナーでは打率.270/出塁率.342/長打率.451だった。ドジャースの佐々木朗希(23)は2番手で、多くのスカウトが、佐々木を現時点でMLB最高の投手プロスペクトと評価している。しかしながら佐々木はまだ成長過程。ポテンシャルが完全に開花するのはあと1~2年後になると見られる。
ドジャースは6人制ローテーションの一角として起用するが、登板イニング数や登板間隔には細心の注意を払うことが予想される。3位はカブスのマット・ショウ三塁手(23)。ショウは短くコンパクトなスイングを持ち、ボールに対するアプローチが優れている。昨シーズン、マイナーで打率.284/出塁率.379/長打率.488を記録し、19本の二塁打、21本塁打、71打点、31盗塁をマークした。打席では粘り強く、コンタクト能力が高いため、メジャー昇格後も安定した成績を残せる可能性がある。
さらに、打撃フォームや守備動作においても非常に洗練されており、基本がしっかりしている選手。4位に来るのはロッキーズのチェイス・ドランダー投手(23)。昨季はマイナーで計118イニングを投げ、防御率2.59、169奪三振、47四球という素晴らしい成績。2023年ドラフトで全体9位指名を受けた逸材であり、現在のロッキーズのローテーション投手の中で最も優れた投球能力を持つ。将来的には、ロッキーズのエースとしてチームを牽引する存在になると期待されている。
5位はパイレーツのバッバ・チャンドラー投手(22)。昨季はマイナーで119 2/3イニングで148奪三振、41四球と、奪三振能力の高さを示した。持ち球は、最速160km近い速球、鋭く曲がるスライダー、質の高いチェンジアップ。制球が安定すれば、開幕からローテ入りの可能性も十分にある。ア・リーグはタイガースのジャクソン・ジョーブ投手(22)が新人王の最有力で、オリオールズの菅野智之は8位。変化球の使い分けやコントロールに優れ、投球の軌道や変化を自在に操る。しかし、MLBの打者相手に通用するかは時間が経たないと分からない。現時点では、3番から5番手の先発投手として見られているとした。