高い身体能力と冷静な頭脳を併せ持つ。昨年10月のW杯アジア最終予選の日本戦でもフル出場した現役オーストラリア代表のDFジェイソン・カトー・ゲリア(31)は「成熟した選手」となってJリーグに戻り、チームの最終ラインに安定感をもたらす。
18~20年にJ2千葉でプレー。当時は「ステップアップを狙うような若手のようなマインド」だったが、ベテランの域に入り、ピッチ内外で成長。試合に臨む準備の仕方、ゲーム状況の把握、局面における判断などいずれも経験を積んだと自負し「J1は初。成熟した自分がどれだけ通用するかもチャレンジ」と鼻息荒く語る。
チームは昨季、序盤に先制を許し、失点を重ねる試合が前半戦で目立った。昨季リーグワースト5位の59失点を減らすことが上位進出への鍵となる中で、ゲリアは単純な守備面に限らず「困難な状況でチームがよりいい方向に導かれるような助けになることも重要な役割」と強調。経験を生かして引き締め役も務める覚悟だ。
その高い身体能力が生きるのは守備だけではない。昨季はセットプレーのリスタートから3プレー以内のゴールが6とリーグ最少タイ、同シュート数は60と最少だっただけに、得点への期待も高まる。「セットプレーにおける重要なピースを担うことは好んでいるし、実行できる」と白い歯を見せ、J1初ゴールへ強い意欲を示す。チームの生命線でもあるビルドアップも含め、攻撃でもチームに貢献する。
=おわり=
◇ジェイソン・カトー・ゲリア 1993年5月10日生まれ、オーストラリア出身の31歳。メルボルンV―千葉―パースグローリーFC―メルボルンV。オーストラリア代表。ポジションは右サイドバック、センターバック。J2通算57試合出場、2得点。1メートル83、78キロ。利き足は右。背番号は2。