阪神の前監督、岡田彰布オーナー付顧問(67)が6日、宜野座キャンプを初視察し、村上を絶賛した。ブルペン投球をじっと見つめ「やっぱり、目立ったのは村上やな。村上はたぶん今年、一番勝つと思うけど。全然、ボールの質が違うやんか」と評価。「一番勝つ」、すなわち、優勝の使者に指名した。
昨年10月13日のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦でDeNAに敗れ、監督としての仕事が幕を閉じた。その試合後、選手に残したメッセージの中に、「村上は終わってしまうで」という苦言があった。MVPに輝いた23年の投球から一転、昨季は相手につかまることが増え、7勝11敗にとどまった。あの一刀両断から4カ月。この日は変化を認めた。
「エース級に勝てなかったふがいなさが一番にあるんじゃないかな。去年もエース級と一番当たったのは、村上やんか、結局な。そういう意味では、今年に懸ける思いは違うんちゃうか。仕上がり的には、どの曜日に投げてもいいような仕上がりに見えるけど」
現時点での活躍見込みは、昨季13勝でチーム勝ち頭の才木よりも「そら村上の方が上やろうな。全体的に見たら」。並々ならぬ期待を寄せた。
前指揮官の言葉を、報道陣から伝え聞いた右腕は「そういうところ(エースとの対戦)で勝てないと上にいけないと思う」とカードの初戦に投げる決意を見せた。この日のブルペンは100球全て直球。力強いボールを低めに集めた。
「やっぱり真っすぐがあってこその変化球なので。真っすぐを良くしないと1軍は通用しない。それを重々、(昨季)わかった」
名将をうならせるほどの球威。「虎の村神様」が戻ってきた。(倉世古 洋平)
〇……岡田顧問は、村上への高評価とは対照的に、才木を心配した。ブルペン投球を見て「才木は怖さがあるよな。去年の後半からあんまり良くないよ。ブルペンからもうちょっと確率高くストライクゾーンに投げてほしいよな」と指摘した。昨年8月は、月別防御率でワーストの4.13と振るわなかった。それを踏まえ、「その悪い感覚があるよな。もう一回(いい感覚を)思い出して、つかめば大丈夫と思うけど。開幕に合わせてくれたらええピッチャーやと思うけどな」と尻を叩いた。
▼阪神・才木 「真っすぐに納得は全くできていない。今のところは。真っすぐも良くしていきながら、フォークも同時進行でやっていきたい」