樋口国際法律事務所代表で国際弁護士の樋口一磨氏が7日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)の銀行口座から約1659万ドル(約25億3000万円)を盗み、違法スポーツ賭博の胴元に不正送金し、銀行詐欺罪などに問われた、大谷の元通訳水原一平被告(40)の判決公判について言及した。
カリフォルニア州オレンジ郡サンタアナの連邦地裁は6日(日本時間7日)、水原被告に禁錮4年9月、賠償金1700万ドル(約26億円)の量刑を言い渡した。
裁判資料によると、水原被告は2021年11月ごろから昨年3月ごろにかけ、大谷の口座から約1659万ドルを盗み、違法賭博の胴元側に不正に送金した。野球カードの購入費や歯の治療費もこの口座から支払い、口座から得た金銭を課税所得として報告せず、虚偽の納税申告もした。
スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」の報道によると、水原被告が大谷の銀行口座から電話で送金手続きをする際、銀行側に「大谷翔平です」と述べ、送金理由は「車のローン」と回答したという。
同連邦地検は禁錮4年9月と釈放後3年間の保護観察処分、大谷への約1700万ドル(約26億円)の賠償などを求刑。水原被告は司法取引に応じて罪を認めたうえで、事件は長年にわたるギャンブル依存によるものとし、過去の判例でギャンブル依存症によって罪を軽減された判例があるとして減刑を訴えていた。
樋口氏は「法律上、責任があるということと実際に払えるかどうかというのは分けて考えなければいけない。IRS(内国歳入庁)は日本でいう国税庁に相当するんですが、すでに司法取引の段階で米国国内の水原氏の財産は全部、開示させられて、ほぼ凍結させられている状態。そういうものはIRSがまず持っていく。その先は、なかなか大谷選手が自分の損害分を回収していくのはかなり厳しい。現実的には厳しいと思います」と自身の見解を述べた。