Infoseek 楽天

“泣き歌の貴公子”林部智史 活動10周年を見据え「置かれた場所で咲きたい」

スポニチアネックス 2025年2月7日 11時7分

 「難破船」「つぐない」などのヒット曲をカバーしたアルバム「カタリベ ~愛のエクラン~」を引っさげたツアーを展開中の歌手・林部智史(36)が、スポーツニッポンのインタビューに応じた。デビュー9周年を迎える2月26日には、東京・NHKホールで記念コンサートを開催。林部に歌への思い、活動10年目の節目に向けた思いなどを聞いた。(西村 綾乃)

 2016年にシングル「あいたい」でデビュー。プロ歌手として8年目を迎えた24年は、8の字を横に倒した∞(無限)の可能性を求め、原点回帰を大切に活動。デビューのきっかけをつかんだカバー曲を大切に歌ってきた。

 昨年10月には、カバーアルバム第3弾となる「カタリベ ~愛のエクラン~」をリリース。1970年から80年代の曲を中心にした12曲の歌詞からは、つつましやかな当時の女性像が浮かび上がるという。

 「八代亜紀さんの『花水仙』の歌詞には、『ゆかしさ』など、今はあまり使わない言葉が入っています。愛しい相手から『おまえ』と呼ばれている。その関係性など、時代を感じることができる」と情景を思い浮かべながら歌っている。

 “泣き歌の貴公子”の異名を持つが話し声は、音符が踊っているように軽やか。その柔軟な心で、令和から生まれる以前の昭和の時代を想像。人生の儚さ、出会いと別れの愛おしさなどを、唯一無二の歌声で表現している。

 コンサート会場では、歌う前のMCで「青春時代に戻って」と人生の先輩たちに呼びかけることもある。

「僕の歌が青春時代に戻るきっかけになってくれたらいいなって。会場に来て下さった、皆さん、お一人お一人が持っている、自分のアルバムをめくるように聴いてもらえたらうれしいです」

 開催中のツアーは、8公演中、4公演が完売する人気だが「100回以上、オーデイションに落ちた」という苦い経験が林部を謙虚にさせている。

 シスターの渡辺和子さん(享年89)が著書のタイトルにもした「『置かれた場所で咲きなさい』という言葉をずっと大切にしています」と濁りのない瞳を輝かせた。

 26日のNHKホール公演は、自作曲などオリジナル曲を中心に構成する。「10周年に向けた活動を感じていただけるものにしたい」と意気込んだ。

 ◇林部 智史(はやしべ・さとし) 1988年(昭63)5月7日、山形県出身の36歳。2016年2月にシングル「あいたい」でデビュー。同年末には「第58回輝く!日本レコード大賞」で新人賞。「第49回日本有線大賞」で新人賞を受賞。心深くに届く歌声は幅広い層に支持され、「泣き歌の貴公子」の異名を持つ。

この記事の関連ニュース