現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(71)が7日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。今オフにポスティングシステムでドジャースに移籍した佐々木朗希投手(23)について語った。
今オフでメジャー挑戦する選手で注目する選手はいるかと問われると「みんな頑張ってもらえればいいと思いますよ」と全員にエールを送った。近年はメジャー移籍を志す選手が多いことにも「行きたい選手は行けばいいんじゃない。それでどういう世界なのか味わって、帰ってくるのは帰ってくればいいし、向こうにずっといるんだったらいればいいし」とメジャー移籍には肯定的な考えを示した。佐々木については「アメリカに行くのは、ほぼほぼ決まっていたことなんでね。どこの球団に入るのかなっていうだけのことだったと思いますよ」と話した。
23歳の佐々木は契約金や年俸などの総額が制限され、マイナー契約しか結べない「25歳ルール」が適用される中での移籍。あと2年待てば数百億円規模の高額契約を得られたが、佐々木の契約金は650万ドル(約10億1400万円)だった。それでも佐々木はドジャースの入団会見で「あと2年待てばという声も多く聞きますけど、その2年こういった状態で迎えるか保証はないですし、お金よりもこの2年間過ごす時間の方が価値があるものだと判断しました」と説明した。
落合氏もこの佐々木のコメントに対し「彼が自分で言っている通りに、2年後野球できるかどうか分からないんで、今が決断の時だって言ってるわけでしょ?だから、そうなんでしょう。2年後野球ができなくなってアメリカを断念するんだったら、今やれるうちに契約した方がいいっていうこと。本人が言っている通りなんだろうと思う。それだけやってみなきゃ分かんないっていうのは本人も重々承知の上なんじゃないのかなと思う」と理解を示した。
懸念点として日本でフルシーズンを経験したことがないことを以前から指摘。「アメリカで中4日、中5日。それがシーズンでできるかといえばまだ(スタミナ的に)できないと思う。だから、先発ピッチャーの余裕のあるところを選んだっていうようなことなんじゃないのかな。状態の良い時に使ってもらって」と推察した。
また「ピッチャーが投げるには肩のスタミナっていうのもあるしね。体がちゃんと出来上がっているかっていうのもあるし。それが故障で投球イニングが足りていない。1年だけ投げられればいいってことじゃないけどね。発展途上っていうことから見れば、やっぱり不安は不安だろうと思う。でも、その不安を払しょくする活躍を期待したいですね」と話した。