柔道女子日本代表の塚田真希監督(43)が7日、グランドスラム(GS)パリ大会を終えて羽田空港に帰国した。
代表監督として臨んだ初めての海外遠征。トレーニング合宿にも参加し「各国の選手がどういう練習をしているか、積極的に情報をキャッチしないといけないという緊張感があった。ピリピリしますね」と責任感を強めた。
今大会の日本勢では48キロ級の近藤美月(東海大2年)、52キロ級の大森生純(24=JR東日本)、63キロ級の嘉重春樺(24=ブイ・テクノロジー)の3人が優勝。「チャンスをしっかりものにして、それぞれ準備したことが試合に出ていた」と評価した。48キロ級の古賀若菜(23=JR東日本)は準決勝でシリヌ・ブクリ(フランス)に敗れて3位。塚田監督は「同じ相手に4連敗なので、苦手意識が出てしまっているのではないか。投げる力は本当に強いのに、なかなか持っていけないのが悔しいところ」と分析した。
「有効」の9年ぶり復活など国際柔道連盟(IJF)が定めた新ルールが初めて適用された今大会。抑え込みは5秒で「有効」のポイントが入るようになった。「これまでは8~9秒で逃げてスコアにならない展開が多かった。(今大会は)逃げようと思った瞬間に有効が入ることがゴールデンスコアで多かった」と振り返った。寝技の強化は、増地克之前監督の頃から継続して取り組んできたこと。新ルール下においても「鍵になる」とポイントに挙げた。
14日開幕のGSバクー大会には、48キロ級パリ五輪金メダルの角田夏実(32=SBC湘南美容クリニック)と52キロ級東京五輪金メダルの阿部詩(24=パーク24)も出場する。塚田監督は「女子柔道を盛り上げているアイコン的存在の2人」と表現し、一緒に出場する五輪未経験の選手たちに対しては「同じ環境で大会に臨んでいろいろ吸収してほしい」と期待を込めた。