キャスター辛坊治郎氏(68)が7日、ニッポン放送「泉房穂の情熱ラジオ Part2」(金曜後8・00)にゲストとして生出演し、この日限りで講演活動を引退したことを明らかにした。
パーソナリティーの前兵庫県明石市長・泉房穂氏に、「泉さん、元気ですね~」と感心。年齢トークから、「私、だいぶ上ですよ。私、もうヨレヨレですから」と自ら衰えを口にした。
その流れの中で、自身の決断を口にした。「これもう公に言ってもいいと思うけど、去年の8月以降、テレビ、ラジオ、執筆、講演も、新しい仕事は全部、ご遠慮申し上げる方針でいて」。意外な告白に、泉氏も「そうなんですか?」と聞き返した。
例年なら、1~3月は講演の依頼が多いという。「新春講演会で1、2、3月は講演ビジネスはピークなんですけど、去年の8月に受注を止めてますので、おかげさまで暇なんですけど」。この日は以前から義理のあるところからの依頼があり、神戸で講演を行った。「たぶん人生最後の講演だった。間違いない。受注してないし、このまま受注するつもりはありませんから」と打ち明けた。
「最近、ダメなんですよ」と、講演の受注をやめた理由も明かした。「来ていただいている方に大変、失礼なんですけど、1時間半の講演でしゃべるじゃないですか?基本的に、タイトルが違っても中身は同じなんですよ」。話す内容に関わらず、変わらない構成のトークをしているといい、「同じようなネタで一年中(しゃべっている)」と打ち明けた。
多い時は年に200講演、1日で3講演することもあったという辛坊氏。「脳みそを通してないというか、パターンが決まっていますから、自分の中でテープレコーダーを再生しているような感じなんですよ。ずっとしゃべっているんですけど、目の前のお客さんはわっとウケるんだけど、ウケた瞬間に、あれ?俺、何しゃべってたっけ?って思っちゃって」と、ショッキングな出来事があったという。
「1時間半の講演だと、基本的にパターンが決まっているし、しゃべる内容も決まっているし、自動的にテープ流しているのと一緒で、わざわざ行ってしゃべる理由がないんじゃないか。もう限界だと思っていた」
この日、人生最後と決めた講演のテーマは、万博だった。「今日は珍しいことに、万博をテーマにという話だった。一から話を構成しなければいけない。久しぶりの作業が新鮮で」と、人生最後の作業に真剣に向き合ったことを明かしていた。