元兵庫県明石市長の泉房穂氏(61)が7日、ニッポン放送「泉房穂の情熱ラジオ Part2」(金曜後8・00)に生出演し、ゲストのキャスター辛坊治郎氏(68)に救われた出来事を明かした。
東大卒業後、NHK、テレビ朝日社員を経て司法試験に合格。さらに衆院議員を経て、11年に明石市長選に初当選した。もともと故郷の明石市長になる夢を持っており、「自信というよりは、くさい言い方ですけど、使命感です。明石のふるさとの市長になって、街を優しくしてから死んでいくくらいの強い覚悟があったので、そのためにやれることはやろうという感じでしたかね」と明かした。
辛坊氏から「市長、楽しかったですか?」と問われると、泉氏は「市長、楽しかったですよ。子供のころからなりたかった市長になれて、やっとスタートを切れたから」と断言した。
すると、続いて辛坊氏からは「ボロカス言うたら、録音されて、マスコミにたたかれて…あれはどういう気持ちなんですか?」と意地悪な質問が飛んだ。明石市内の国道2号の拡張工事に伴い、立ち退きを渋る建設物に対し、泉氏が担当職員を厳しい言葉で叱責した音声が出回り、パワハラを理由に辞職へと追い込まれた問題があった。すると泉氏は「あの時も明石の現地に来ていただいて、取材していただいて」と、辛坊氏が起こした行動を振り返った。
辛坊氏は問題を受け、現地で取材をしたという。「あれは現地に行っていろいろ状況を見て、話を聞いたら、ああ、これ市長は悪くないわ。市長のやりたいことを止めている下が悪いわと、確信を持ちました」と断言。出演番組でも、その考えを主張していた。
辛坊氏はさらに、問題の経緯を説明した。「あの時、立ち退きが進まないので、道路の整備ができないと。道路が非常に危険な状態になっていると。それに対して、(泉氏が)“火付けてこい!”と言わはったんです。その“火付けてこい!”を録音されて、マスコミに流されて、ワイドショーでバンバンやられて、めっちゃ怒られたんですけど、実際現地に行って、立ち退きしていない家と道路の状況を見て、“これは火を付けるどころか、中国だったらブルドーザーで壊すところを、火くらい付けるわな”と」。過激な表現を使いながらも、泉氏の方針自体は間違っていないという結論に達したという。
辛坊氏は「泉さん、市長が言っていることが正しい。市民のことを考えたら、これはどんな手を使ってでも立ち退きさせるやろ?と。そりゃあ、部下を怒りたい気持ちは分かるよねと思ったので、そりゃあ市長の言っていることは間違いない」と回顧した。
取材をもとに自身のスタンスを貫いた辛坊氏に対し、泉氏は「みんなからたたかれている最中に、辛坊さんが現地に行かれて、取材をして、今みたいな話をしていただいて。よく覚えていますわ。一番しんどい時にそういったコメントをいただいたことを、感謝というか、よく覚えています」と、感謝を口にしていた。