元宝塚歌劇団の宙組男役トップスターで女優の凰稀かなめ(42)がミュージカルレビュー「TARKIE~伝説の女たち~」(3月24~30日、東京・有楽町よみうりホール)に主演する。“伝説の男役”として知られる水の江瀧子さん役。2022年に初演され高い評価を受けた作品で、今回は共演者を代えて再演。「新しい気付きを大事にしたい」と話している。
水の江さんは、戦前戦後に東京松竹楽劇部(後の松竹歌劇団=SKD)のスターとして活躍し「ターキー」の愛称で親しまれた。男役を演じるために断髪したのは水の江さんが日本初とされ「男装の麗人」と呼ばれた。映画プロデューサーとして石原裕次郎さんらを見いだしたことでも知られる。
凰稀は約15年間、宝塚に在籍。劇団は違えど、その道の“第一人者”を演じることに「前回は戸惑いと緊張感がありましたが、演じているうちに気負いは取れ、重なる部分を見いだすこともできました。彼女が生きた時代の雰囲気や、その中で輝いた人たちを表現することで新たな感動を届けたい」と意気込む。
今年は芸歴25周年の節目。昨年、NHK大河ドラマ「光る君へ」に赤染衛門役で出演し存在感を発揮した。「テレビには不慣れな部分も多いので、もっと経験を積んでいきたい」と話している。今作は、18歳以下を無料招待する文化庁の「劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」の対象。
◇凰稀 かなめ(おうき・かなめ)1982年(昭57)9月4日生まれ、神奈川県出身の42歳。宝塚歌劇団時代は「ベルサイユのばら」の男装の麗人・オスカルなどを好演。15年に宝塚歌劇団退団後、16年にミュージカル「1789~バスティーユの恋人たち~」で女優、翌17年にアルバム「Again アゲイン」でメジャーデビューした。舞台、ドラマ、映画などで幅広く活躍する。