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日本ハム・伏見主催の「北海道会」の裏側 道産子選手増に加え、ベテラン捕手が願うのは?

スポニチアネックス 2025年2月8日 8時2分

 何はともあれ、楽しかった?会だったようだ。

 日本ハムの春季キャンプ第1クール最終日の4日夜、沖縄県名護市内で北海道にゆかりある選手たちによる親睦会「第1回 北海道会」が開催された。主催したのは北海道千歳市出身の伏見寅威捕手(34)。オリックスから移籍3年目のベテラン捕手にとって、念願の会食だったという。

 「ずっとやろう、やろうって言っていて開催できていなかったから。とにかく1回目を早くやろうぜって。思い切ってやってみた」

 今季在籍する北海道で育った選手は伏見を筆頭に杉浦、玉井、今川、伊藤、福田、根本、松浦に加えて育成ドラフト2位で入団した新人左腕・渋谷(帯広農)の9人。多くの“道産子”が在籍する球団に移籍したからには、親睦会を開催したかったという。しかし、伏見は「マジで誰も動かなかった」と苦笑い。結局、最年長のベテラン捕手が選手全員の日程を確認し、店の手配までしたという。

 そんな苦労も、会が盛り上がったことで報われた。当日は調整がつかなかった今川と渋谷を除き、八雲町出身の片岡奨人マネジャーを加えた8人が参加。伏見は「せっかくだから、北海道の話で盛り上がろう」と、誰が1番の田舎出身かを争う話題でも盛り上がった。各自が実家の最寄りの駅を見せ合ったが、最終的に出身地に駅がない佐呂間町出身の玉井が“キング”の称号を得たという。

 2004年に球団が北海道に移転し、今年で22年目。当初は少なかった道産子選手も増え、伏見は「選手だけで意外とこんなにいるんだねって話しになった」と笑顔で振り返る。球団が地域に根付き、道内のアマチュア世代のレベルが上がったことも要因の一つと考えられ「刺激を受けたり、そういう姿を見て頑張ろうという気持ちになった一人でもあるしね。俺が。みんなそうなんじゃないかな」と感慨を込める。

 だからこそ、道内のアマチュア世代に多くの勇気を与えたい思いは強い。「今までは自分のことしか考えていなかったけど、ベテランになり、ふと客観的に見た時にキャンプに来ている子供たちもそうだけど、俺もそうだったんだなと」と語る34歳は「そういった子たちがきっと何年か先、俺らみたいな立場になる。子供たちへのファンサービスはちゃんとやりたいと思うし、みんなが見ていると思って練習も試合もやるべきだと思っている」と誓う。

 10年後はメンバーがさらに増え、「北海道会」が発展していることを願う。「10年後は現役をやっていないかもしれないけど、必ず行われるような会であってほしい。少しずつ景品を用意したり、最年長がそういうのを用意したりしたいなって思うけど…」と青写真を描く伏見は、最後に冗談交じりに後輩たちに注文をつけた。

 「店や各自の予定を聞くとか、そんくらいやれよ!って思う。何もやらないで“ごちそうさまでした”じゃねーんだよ!(笑い)」

 第2回は、後輩たちが率先して開催に向けて動いてくれることを願っている。(記者コラム・清藤 駿太)

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