お笑いコンビ「ナイツ」が8日、TBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」(土曜前9・00)に生出演し、7日に東京・浅草で開かれた「第7回江戸まちたいとう芸楽祭 ビートたけし杯 お笑い日本一」の舞台裏エピソードを語った。
ビートたけしが審査員を務め、若手芸人発掘を目的としたお笑いコンテストで、浅草東洋館で開催された。優勝は「ハマノとヘンミ」「シティホテル3号室」の2組だった。
芸人たちに、たけしが痛烈なダメ出しをしていくのが、ここ数年の恒例行事となっている。7日も中間講評で「本当に笑えねえな。これほど笑わない劇場も珍しい」と苦言を呈するほどだった。
土屋伸之は「たけしさんが言っていることは、一貫して同じことなんだよね」とし、「途中でたけしさんが、普通のテレビでやっている賞レースの審査員よりは厳しいことを言うんだけど、酷評みたいな感じで(記事では)書くけど、毎年同じことだもんね。お客さんに合わせろということを毎年言ってますよね。その通りだしね」と説明した。
塙宣之は、たけしの隣の席で若手のネタを見守っていた。「昨日もずっと言っていたのは、“ウケないんだったら、何分でもやれ”って」と、たけしイズムを熱弁。「しがみ付いてでもやる。“俺はお客さんが笑わなかったら、そこによじ登って落ちて、気絶したこともある。やすきよ師匠だって、5分って言われているのに40分やってきた”とか言っていた」と、たけしの経験談を伝えた。
塙はさらに持論も口にした。それは、舞台に出た時に客層を読む能力だという。「ぱっと出た時に、今日の東洋館の感じは、たけしさんを見に来ている人たちだって分かってるわけじゃん?頭の中に、50、60代くらいの人たちが来ているなという設定を得るから、お前らが普段、ライブでやっていることがウケるわけがないんだから。売れてないんだから…ということがまず、技術不足なんですよ」と指摘した。
良くも悪くも、賞レース至上主義になっている若手も多いという。「今、東洋館も若手をどんどん緩くしちゃって。賞レースとかがあるから、15分のネタをやりたくないんだって。俺が言っているのは、15分そこの場に立つことが大事だから。賞レースのために来ているわけじゃないから」。賞レースに合わせた2~4分のネタに力を注ぐあまり、長尺の舞台に難色を示す風潮を嘆いた。
塙がたけしと意見が一致したことは、他にもあったという。「今の若手で賞レースでつめあと残したいから、ツッコミがそこまでイキらなくていいのに、みんなでっけえのよ、声が。ネタがおもしろいのに、邪魔になっちゃっているの。俺も思ってるけど、たけしさんどう思ってるのかな?と思ったら、“うるせえな。あいつ、うるせえな”って。全部言ってくれるから」と話していた。