◇NTTジャパンラグビーリーグワン1部第7節 東京ベイ30―22横浜(2025年2月8日 ニッパツ三ツ沢球技場)
ここまで4勝2敗で3位の横浜と、4勝1敗1分けで4位の東京ベイの上位対決。東京ベイが30―22(前半3―12)で勝利し、5勝目を挙げて2位に浮上した。
前半3分、横浜がFL嶋田直人(33)のトライで先制。東京ベイはSO押川敦治(25)のペナルティーゴールで3点を返すも、前半33分に再びトライを許して3―12で折り返した。後半3分、FBスティーブンソン(28)のロングパスをキャッチしたWTBハラトア・ヴァイレア(25)が相手ディフェンスを力強く吹っ飛ばしてトライ。ヴァイレアはさらに同20分にも同じように右端を快走してトライを決めた。
16―22で迎えた後半25分、ヴァイレアはこの日3本目のトライを決めて自身初のハットトリックを達成。さらに、自らコンバージョンも決めて逆転に成した。キッカーはそれまでSO押川が務めていたが、逆転のチャンスの場面で交代。「いつでも代えると言われていたので(キックの)練習もしていた」と難しい角度で風も強い中、見事期待に応えた。後半34分、CTBリカス・プレトリアス(26)のトライで追加点を奪うと、ヴァイレアが再びコンバージョンを成功させて試合を決定づけた。3トライにコンバージョン2本。計19得点の大活躍でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
トンガ出身のヴァイレアは、2015年春に千葉・柏日体(現・日体大柏)高へ留学。大相撲の新横綱・豊昇龍(25=立浪部屋)や幕内・欧勝馬(27=鳴戸部屋)、幕下・朝白龍(26=高砂部屋)と同級生だった。豊昇龍(本名=ビャンバスレン)を「ビャンバ」と呼んでおり、自身は「ドアー」と呼ばれていたという。「同じ寮で、留学生仲間でボウリングに行ったりしていた。仲良いです。(豊昇龍が)最初はレスリングで来ていたので相撲(で強くなる)とは思ってなかった」と懐かしんだ。
同じ留学生として柏日体高校で出会ってから約10年。自身はラグビーで日本代表候補(昨年5月は合宿に招集も体調不良で辞退)まで成長し、「ビャンバ」は大相撲の世界で番付の頂点を極めた。旧友の初場所優勝、そして横綱昇進という快挙に「(初場所を)見ていました。うれしいですね」と笑顔。大いに刺激を受けているようだった。