楽天の安田悠馬捕手(24)に覚醒の予感が漂っている。沖縄県金武町での春季キャンプ第1クールでスコアボードを破壊する推定140メートル弾。翌日も同じような箇所にぶつけるなど、パワーを見せつけ「センター中心に飛んでいることはいいことだと思う。感覚は悪くない」とうなずき、スコアボードの修理代については「球団にお願いします。(今後は)施設を大切に使いたい」と笑いを誘った。
昨季は「捕手としての実戦経験を積ませる」という首脳陣の方針で開幕から2軍で経験を積んだ。8月に1軍昇格し、CS進出を争った終盤の21試合で「4番浅村、5番安田」のオーダーで戦った。今年11月で35歳になる主砲の浅村は安田について「凄く頼もしかった」と振り返り、「今後引っ張っていく、楽天の中心になる選手だと思っている。ホームランを20~30発打てるようなポテンシャルがある」と自身の後継者にも指名している。
大卒4年目。これまでは昨年の53試合出場が最多でレギュラーに定着したシーズンはなく「4年目になるので、3年間やってきたことと、自主トレでやってきたことの集大成みたいな感じ」とレギュラー獲りへ並々ならぬ闘志を燃やしている。
2軍で指導にあたってきた三木監督も「今までは力ずくで打ちにいっていたが、自分のポイントまで引きつけられるようになってきた」と評価。「実戦でどうなるか。よう飛ばしてるから、試合で見たいね」と大きな期待を口にしている。注目を集める宗山だけではない。楽天が誇るロマン砲のシーズンでの豪快な打撃が今から楽しみだ。(記者コラム・花里 雄太)