関西学院大・渋谷和久教授が9日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)にVTR出演。石破茂首相とトランプ米大統領が7日午前(日本時間8日未明)、米ワシントンで初めて会談し、共同声明を発表したことに言及した。
初会談後の共同記者会見で互いを称賛し、友好ムードを演出した。トランプ氏は石破氏について「偉大な首相になる。首相として素晴らしい仕事をするだろう」と評価。石破氏は「恐ろしい方との印象がなかったわけではないが、誠実で強い意志を持ち、世界に対する強い使命感を持っている」と持ち上げた。
共同声明では、両国の同盟強化に向けて「経済安全保障を含めた経済協力が不可欠」と明記した。トランプ氏は会談で、対日貿易赤字の解消を要求。不均衡が続けば、関税が選択肢となると言及した。共同記者会見では日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り「買収ではなく、多額の投資で合意した」と述べた。
第1次トランプ政権との貿易交渉を担当し、日米貿易協定などをまとめた渋谷氏は、初の首脳会談の成果について、「満点に近いと思います。お互いにリスペクトをする、そういう関係が築けたのは本当に大成功だったんじゃないかと思います」と自身の見解を述べた。
また、石破首相とトランプ氏が14秒間、両手を使って握手していたことに着目し、「トランプ大統領はとても正直な方なので、自分の嫌いなリーダーと相対する時はニコリともしない。場合によっては握手もしない。トランプさんが握手をして手を重ねたのは、僕の知る限り、安倍晋三元総理と英国のテリーザ・メイ首相だけ。そういう意味では、かなり好感度の高いリーダーという印象だったんじゃないかと思います」と話した。
そして、「(トランプ氏は)強い人が好きですよね。石破さんのことも強い人だとおっしゃってまして、石破さんご自身が(5回)総裁選に挑戦をされてきて今回、見事に総理になられたと。大変意志の強い人だという思いを持たれたのではないかと思います。(こういった握手をするのは)信頼している相手にはってことだと思いますね」と述べた。