今秋ドラフト1位候補に挙がる健大高崎(群馬)の最速158キロ右腕・石垣元気(2年)が9日、千葉県館山市内での合宿で紅白戦で好投した。先発して3回を無安打無失点。味方の失策以外で走者を許さず、3三振を奪う圧巻の投球だった。
「久々の実戦で気合が入った。結構、いいボールが投げられました。カーブでカウントが取れなかった分、ストレートでカウント、三振が取れたので良かったかなと思います」
この日最速となる151キロを2度計測した直球にカットボール、スプリットを織り交ぜる投球術が光った。ネット裏で視察したメジャー球団のスカウトは「驚きました。17歳でこれだけの出力があり、全部の球種で三振が奪える」と絶賛した。
23年はドラフト1位候補だった花巻東(岩手)のスラッガー・佐々木麟太郎内野手がプロ志望届を提出することなく、スタンフォード大への進学を決めた。さらに昨秋のドラフト上位候補だった桐朋(東京)の森井翔太郎内野手はアスレチックスとマイナー契約を結んだ。今年の高校生では、ずば抜けた球威を備える石垣への視察も自然な流れだ。「アメリカでいろいろな日本人選手が活躍している。日本人選手に興味がある」とスカウト。真っ黒なサングラスの奥で目を光らせていた。
「今日は手応えがあったんですけど、あと2キロくらいは上げられると思います。あと1カ月くらいで選抜が始まる。そこまでにしっかりと仕上げて、万全な状態で投げたいと思います」と石垣。チームテーマに掲げる「連覇」達成へ、視界良好だ。(柳内 遼平)
◇石垣 元気(いしがき・げんき)2007年(平19)8月16日生まれ、北海道登別市出身の17歳。登別市立西小1年から柏木ジュニアーズで野球を始める。登別西陵中では洞爺湖リトルシニアに所属し、北海道選抜に選出。憧れの選手はオリックス・山下。好きな芸能人は佐藤二朗。1メートル80、76キロ。右投げ左打ち。