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甲子園Vの「ミスターゼロ」が197日ぶり打席 健大高崎・佐藤龍月が紅白戦で安打「野球って楽しい!」

スポニチアネックス 2025年2月9日 19時37分

 3月18日に開幕する選抜で連覇を狙う健大高崎(群馬)は9日、千葉県館山市内で紅白戦を行った。

 A組で途中出場した佐藤龍月(りゅうが=2年)は1打数1安打1四球でサヨナラ勝利に貢献した。昨年の選抜では5試合を投げ、22回を無失点に封じて3勝を挙げた左腕。昨夏に左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、現在はリハビリと並行し、外野手で選抜のメンバー入りを目指している。

 

 佐藤にとって久々の打席だった。昨夏の群馬大会決勝の前橋商戦以来、実に197日ぶり。代打で出場した7回は右前打。先頭打者として迎えた9回は四球を選んでサヨナラ勝利の機転となった。打って、走った佐藤の顔に笑みが浮かんだ。

 「野球ってやっぱり楽しい。試合で投手から来るボールを打つのは本当に久しぶりだったので、結果が出るとは思っていませんでした。野球が少しずつできるようになってきたなと感じています」

 昨夏の群馬大会優勝に導いた後、佐藤は甲子園に挑むチームから離脱した。左肘のじん帯損傷と疲労骨折が判明し、8月30日には左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、投手としての復帰まで約8カ月の診断を受けた。

 12月下旬にリハビリのためのスローを再開し、本格的なブルペン投球は夏の大会直前の6月に再開予定。ただ、佐藤は選抜メンバー入りを諦めていない。トミー・ジョン手術を受けた肘は適度な刺激を与えることでリハビリが進む。そのため外野手としてのプレーならば出場も可能で、「自分が打撃で(現エースの)石垣を支えたい」と意気込んでいる。

 この日は右前打の快音を響かせ、また2ストライクに追い込まれても粘って四球をもぎ取る対応力の高さを示した。それでも「まだ最初の試合なので、これからもっと結果を残さないとベンチには入れない。満足せずにしっかりやっていきたい」と一歩ずつ踏みしめる。

 「野球って楽しいです。それとピッチャーしたいなって思いました」。つらく、長く、心も曇るリハビリの道。打撃で結果を残し、野球の原点を思い出した。(柳内 遼平)

 ◇佐藤 龍月(さとう・りゅうが)2007年(平19)7月13日生まれ、川崎市出身の17歳。下小田中小1年から陣屋少年野球部で野球を始め、西中原中では東京城南ボーイズに所属し、U―15侍ジャパンに選出。憧れの選手はドジャース・大谷。好きな芸能人は今田美桜。1メートル74、73キロ。左投げ左打ち。

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