◇NFL 第59回スーパーボウル フィラデルフィア・イーグルス(NFC) 40ー22 カンザスシティー・チーフス(AFC)(2025年2月9日 ルイジアナ州ニューオーリンズ シーザース・スーパードーム)
2季ぶりにスーパーボウルを制したイーグルスのRBセイクワン・バークリー(28)が、年間ラン獲得2504ヤードのNFL新記録を樹立した。初出場の大舞台で25回のランで57ヤードを獲得。レギュラーシーズンの2005ヤードに加え、ポストシーズンでのラン獲得を499ヤードまで伸ばし、98年にブロンコスのテレル・デービスが達成した年間2476ヤードを上回った。
チームは強力守備陣やMVPに輝いたQBハーツの活躍もあり、パスレシーブでも40ヤードを稼いだ今季最優秀攻撃選手が主役になることはなかった。それでも娘のジャダちゃんとともにビンス・ロンバルディ・トロフィーを腕に抱えたバークリーは、「実物はもっときれいだった。本当さ。夢に見ていたからね。抱きしめてキスできるだけで幸せだよ」と顔をほころばせた。
18年にドラフト全体2位指名で入団したジャイアンツで、1年目に最優秀攻撃新人賞を受賞。だが、20年に膝をケガして成績を落とし、復活した22年シーズン後も長期契約を結べずに今季、イーグルスへの移籍を決断した。
今季はレギュラーシーズンで史上9人目の2000ヤードラッシャーとなり、チームをけん引。1試合を残して84年にNFL記録の2105ヤードをマークしたエリック・ディッカーソン(ラムズ)まで100ヤードと迫ったが、コンディションを整えるために最終戦の欠場を承諾した。個人記録よりもチームのスーパーボウル制覇に懸けた思いは、28歳の誕生日を迎えた夜に報われた。