WEリーグの新潟Lは10日、沖縄キャンプ(22日まで沖縄県南城市)に向けて聖籠町のアルビレッジを出発。バス、飛行機を利用し、12時間以上かけて南城市に到着した。きょう11日から本格始動する。女子日本代表「なでしこジャパン」に選出されたGK平尾知佳(28)は、代表活動のためキャンプ途中でチームから離れるが、限られた時間でチームの守備力向上を図る。
この日の聖籠町の日の出時刻は午前6時39分。まだ薄暗い午前6時過ぎに選手たちは凍結路面を運転して集合場所の聖籠町のアルビレッジに集まった。平尾は開口一番「間に合った。これで出発できますね」と笑顔を見せた。
チームは午前6時30分にバスで出発。約6時間かけて羽田空港に向かい、午後3時5分発の飛行機で那覇空港へ。那覇空港到着が午後6時。そこからバスでホテルに到着した。実に12時間以上もの移動時間を強いられたが、日本代表の常連として年に何度も海外遠征を重ねる平尾は「もう全然気にならない。以前は代表活動で枕が変わると寝られないとか、食べ物も日本食じゃなきゃ嫌だとかあったけど、今は全然動じない」と平然と話した。
沖縄キャンプは22日まで行われるが、平尾は16日で切り上げ、17日からは代表に合流する。沖縄での練習は6日間だけだが、その中で2回練習試合も組まれており「まずは失点を減らすこと。これまで前半で失点する場面が多かったので、隙をつくらないようにしたい。皇后杯で守備は良くなってきているが、もっと自信を持てるようにならないと」。昨季はリーグ戦11試合消化時点で5失点だったが、今季は10失点を喫しているだけに、後半戦は1桁に減らす構えだ。
大雪に見舞われた新潟から沖縄入りし、その後はなでしこジャパンの一員として米国で行われるシービリーブス杯に向かう。慌ただしい日々を送るが「代表も新監督になるので、いいアピールができるように沖縄でしっかり動けるようにしていきたい。代表で求められることを表現できるようにしたい」とモチベーションを高めていた。
○…聖籠町のアルビレッジのピッチの積雪は最大で54センチ。ゴールは雪に埋まっている。そのため急きょ8日の練習は中止し、新潟での練習を打ち上げた9日は吹雪の中で行った。橋川監督は「雪の影響で大変だったが、選手たちは皇后杯後から意識的にトレーニングを積んでくれていた。気候のいい沖縄でチーム力がアップできるようにしたい」と抱負を述べた。リーグ戦が再開する3月2日のC大阪ヤンマー戦に向け「練習場所が変わってもやることは変わらない。通常通りタイトルに挑み続けるために練習で積み上げていく」と“堅守柔攻”に磨きをかけていく。