NHKは10日の「ニュース7」で、2023年10月の同番組で報じた「02年秋に故ジャニー喜多川氏からNHK放送センター内のトイレで性被害に遭った」という男性の証言について、被害の時期に誤りがあったと訂正した。
男性の代理人弁護士も「01年の可能性がある」と話しているといい、同局は「時期については慎重な伝え方が必要だった」と釈明。一方、被害に関しては男性の証言が一貫していることなどから「信ぴょう性は変わらない」と伝えた。
23年の報道によると、男性は高校生だった02年秋、放送センターで行われたレッスン中、ジャニー氏に呼び出され、トイレの個室で性被害に遭ったと訴えていた。これに対し、SMILE―UP.(旧ジャニーズ事務所)は、男性が被害を受けたとした日にジャニー氏は海外渡航中だったと主張。補償を巡る協議の中でも、男性が被害の時期についての説明を変遷させるなどしたことから「申告に信用性が認められない」としていた。
男性に対し、損害賠償責任がないことの確認を求めてスマイル社が提訴し、千葉地裁(斉藤顕裁判長)でこの日、第1回口頭弁論が開かれた。男性側は同社の主張を受け入れる「認諾」を表明し、訴訟が終結した。男性は出廷せず、代理人弁護士は「(賠償請求の)消滅時効が完成している。長期にわたり訴訟対応する心理的負担は耐えがたく、早期解決を図ることにした」とのコメントを出した。