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【京都MF川崎颯太 単独インタビュー】目指す場所に辿り着くために「勝たせられる主将になる」

スポニチアネックス 2025年2月11日 6時3分

 京都が今季は“台風の目”になるかもしれない。主将のMF川崎颯太(23)が単独インタビューに応じ、チームや個人の野望を熱弁。クラブ史上初の4年連続J1舞台で、明確に見据えているのはタイトル争いだ。 (取材・構成 飯間 健)

 沖縄キャンプや練習試合J2愛媛戦を視察した多くのライバルクラブ関係者が口をそろえる。今季の京都は良い――。主将を務めるMF川崎颯太も新戦力、チームの目指す方向に自信を深めている。

 「僕が偉そうに言うことじゃないけど、本当に京都に合う選手が来てくれたと思っている。ジョアン(MFジョアン・ペドロ)やパトリック(DFパトリック・ウィリアム)はチームのために汗をかけるブラジル人。アグレッシブな守備でガツンといけるし、サボらない。それだけじゃなくて、攻撃面でもボールを運べる。ダイナミックなプレーもできるし、後ろからスパンとボールを付けるのも上手い。須貝くんは皆さんが分かるとおり、走れるし、鹿島での経験も絶対に生かしてくれる。駿(長沢)くんは賢い選手で前線からのボールの追いかけ方も分かっているし、こっちの要求にすぐさま反応してくれる。得点を取れる選手。必要な選手が来てくれた」

 そしてラストピースとして加わったのがアカデミーの大先輩であるMF奥川雅也だ。

 「僕が京都U―18所属時、奥川選手は一時帰国したら顔を出しに来てくれたりした。欧州で長らくプレーしてきましたし、本当にスペシャルな選手。自分とか慎平(福岡)くんが吸収するには持ってこいの選手で、ピッチ内外で全てを吸収したいです」

 実力のある選手が加わっただけではない。沖縄キャンプの一コマだ。攻撃時でボールをロストした瞬間を想定させ、ボールから最も遠い選手までが全力で帰陣するトレーニングを行っていた。元々、プレー強度の高さがチームの特徴だが、今季は去年まで以上を求めるのがチョウ貴裁監督のスタイルだ。

 「チョウさんの体制になって長いけど“もっとできるだろう”という感覚を突きつけられる。去年のシーズン後半戦を見てもチームとしての完成度は高まっている。でもシーズン前半からあれを出すためにはもう一つ基準を上げないといけない。もう一つ突き抜けないと月並みになる。最後に体半分、足半歩を寄せれるかどうかとか…。勝敗は細部に宿るとチョウさんは口にしますが、僕も100%同意している。そこを突き詰めるための日々の練習が必要」

 川崎自身、パリ五輪後に攻守両面での一段階レベルが上がった。事実、昨夏デンマーク1部オールボーからの獲得オファーを受けた。今冬も海外移籍を模索していた。ただ現実は甘くなかった。

 「正直に言うと、僕が(海外を)断ったというわけではない。チャンスがあったら行きたかったのは本音。ただタイミングもある。それにテツさん(J2大宮・長澤徹監督)にも言われたんですが“チームを勝たせれる選手が海外にいくんだぞ”と。個人のパフォーマンスもそうですけど、勝たせられる主将というのを示さないといけない。そうしないとチームの価値は上がらないし、選手としても目指している場所にはたどり着けない」

 主戦場はインサイドMF。攻守両面での働きが求められる中、守備強度はJ屈指で昨年は攻撃でも改善の兆しを見せた。だが自身に課すハードルは高い。満足感は皆無だ。

 「去年はパリ五輪までの5得点をノルマに掲げていたけど届かなかった。シーズン全体でも30試合3得点。上を目指す上で物足りない。2ケタを取るぐらいの存在感を真ん中で出せれば。川村(ザルツブルクMF川村拓夢)くんもそうですけど守備が上手い、攻撃が上手いだけじゃなくて、得点が取れるとか、ゴールに絡んでいける選手にならなきゃいけない」

 チームとしても川崎自身にとっても4年連続のJ1舞台。過去3年間は残留争いだったが、悔しさや苦しさも含めて継続して積み上げてきたもの全てが血肉になっている。

 「このサッカーで、こういうサッカーで、相手を飲み込んで勝つイメージは全員が明確に持っている。たとえ神戸だろうが町田だろうが自分たちの力を信じて、全員が100%で当てれば勝てない相手ではない。勝てると思ってやっているし、それで勝ちたい。それには自分たちが本当に良かった試合を継続しないといけない。フィジカル面も戦術理解もそう。個々のレベルアップもそう。“これでで良いよね”と思っている選手がいない環境にしないといけない」 

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