Jリーグは10日、都内でシーズン開幕に向けたイベントを実施した。アジア・チャンピオンズリーグ出場クラブを除くJ1各クラブから1選手が参加し、G大阪は鹿児島・神村学園高から加入の新人MF名和田我空(18)が出席。今季Jリーグのオープニングゲームとなる“大阪ダービー”C大阪戦(14日・パナスタ)での鮮烈デビューを誓った。
異例の抜てきでも落ち着いていた。高卒1年目ながら名和田はチームの顔としてイベントに参加。並んで取材を受けていたC大阪DF登里を前に「開幕戦、一発大仕事したい。いろんな覚悟がありますし、負けられない。絶対に勝たないといけない相手」と言い放った。
可能性はゼロではない。完全非公開で行われた8日の練習試合。リーグ開幕前総仕上げの大事な一戦で、主力組に交じってプレーしたという。沖縄キャンプのJ2長崎戦では、巧みなボールタッチとボディーバランスで相手DFをかわして、得点を演出。アピールを続け、徐々に序列を上げてきた。高卒新人の開幕スタメンとなればクラブでは18年の福田湧矢(東京V)以来で、J1全体では22年FC東京のMF松木玖生(ギョズテペ)以来。さらにゴールとなれば史上4人目の快挙となる。
U―20アジア杯に臨むU―20日本代表は落選。「悔しい思いもあるし、行きたかった気持ちもある」。浦和や鹿島など国内4クラブに加えて海外クラブも熱視線を送った逸材は「まずはJリーグで活躍して、U―20代表や上のカテゴリーに選ばれる選手になりたい」と言った。堂安律(フライブルク)や中村敬斗(Sランス)がつけた“出世番号”38番を背に、上り詰めていく決意だ。
目標は94年の城彰二以来2人目の高卒新人2桁得点。「チャンスが来たらチームのために戦って、その中で自分の持ち味を出して得点などで貢献したい」。宿命のライバルとの一戦を、伝説の始まりにする。
◇名和田 我空(なわた・がく)2006年(平18)7月29日生まれ、宮崎県都城市出身の18歳。神村学園中―神村学園高を経て25年にG大阪入団。U―17アジア杯で大会MVPと大会得点王。英紙ガーディアンに「06年生まれの世界で注目の若手60人」の一人に選出された。1メートル69、63キロ。利き足は右。