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打撃だけじゃない!! 阪神・佐藤輝〓本職〓三塁守備も進化「だいぶ安定感も出てきた」

スポニチアネックス 2025年2月12日 5時17分

 阪神・佐藤輝明内野手(25)が11日、「三塁」合格点を受け取った。沖縄・宜野座キャンプ第3クール初日を迎えても、守備位置はサード一本。藤川監督が打ち出した複数ポジション制により、外野に取り組む方針も示唆されていたが、現状は“本職”の三塁強化を最優先。藤本総合コーチからは「どんどん技術も向上している。送球が凄く安定している」と太鼓判も押された。昨季は両リーグワーストの23失策を犯し、うち13個が送球ミス。課題克服へ“進化の春”を送っている。

 佐藤輝の右手を離れた白球は、失速することなく一塁手のミットに突き刺さる。高く浮いたり、ショートバウンドする光景は見られない。相手の胸の位置目がけて繰り出される鋭い送球が、宜野座の虎党を沸かせた。第2クールまでの寒気が姿を消し、今春一番の青空が広がった第3クール初日。1日のキャンプインから一貫して三塁を守り続ける佐藤輝が、「堅守」へ熱い進化を遂げている。

 「練習ではだいぶ安定感も出てきたので、あとは実戦でどれだけやれるか。送球も課題なので、今はキャッチボールから考えながらできていると思う」

 春季キャンプへ向け1月21日に実施したスタッフ会議で、藤川監督は「複数ポジション制」を打ち出した。選手起用の幅を広げるための策。過去2年、三塁しか守っていない佐藤輝も例外ではなく、外野での起用を見越した練習も宜野座で課される…予定だった。

 だが第3クールを迎えても、練習メニューに「外野ノック」は組まれていない。黙々と慣れ親しんだサードで白球を追う日々。藤本総合コーチからは「どこかで、もしかしたら(外野練習も)あるかもしれない」と含みを持たされた一方、守備の鮮やかな成長ぶりに称賛の声を送られた。

 「危機管理のことであって(しっかり)外野をやらせるというわけではない。(昨秋から)継続している姿が見えるので、それは凄いプラス。その継続があるからこそ、技術もどんどん向上する」

 特に改善された点が「打球へ入る姿勢」。捕球から送球へのスムーズな移行により、送球が荒れなくなった。昨季23失策中13個が送球ミス。ミッションが明確な佐藤輝は言う。

 「(捕球から送球へ)連動させる意識はある。低く構えて(動作が)別々にならないように一つの流れとして送球したい。もっと安定感が出せるように」

 9日の合同紅白戦で今春1号を放ったバットも変わらず好調。この日はフリー打撃と特打で計138スイングし、22本もの柵越えを放った。攻守ともに、まだまだ日進月歩の進化を続ける背番号8。紅白戦後に藤川監督からも褒められた「秋からの継続」に磨きをかけ、実り多き2月を送る。5年目の佐藤輝は打つだけじゃない。(八木 勇磨)

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