岡田彰布オーナー付顧問（67）が中日のキャンプ地・北谷を電撃的に訪問し、練習試合の中日―DeNA戦を視察した。昨秋の球団フロント入り後、セ・リーグのライバル球団を敵情視察するのは初めて。練習や試合に熱視線を送った岡田顧問は「勝ったから強いということよ。DeNAは日本一なんやから。巨人が強いとかは言うてへんで」と第一に警戒が必要なのはDeNAだと強調した。
「もともと打てるチーム。点を取って、勝てる。梶原とか度会がいい競争をしている。自信とまではいかんけど、そういう感じには見えるな。投手は外国人次第やけど。はっきり言うて」
DeNAといえば昨季レギュラーシーズン3位で、自身が監督時代は2年連続で勝ち越している相手。だが、最終的に12球団の頂点を極めた勢いを確かに感じた。注意すべき相手として、その一挙手一投足を追った。
一方、井上新監督を迎えて3年連続最下位からの巻き返しを目指す中日については「変えようとしているのは分かるけど、なかなかしんどい。（マルティネスや小笠原流出も）そら痛いわな」と分析した。その井上監督とは、ネット裏ブースで談笑。捲土重来（けんどちょうらい）を期す敵将にも「新鮮で有意義な会話ができました」と言わしめた。
岡田顧問は今後も巨人、広島などのキャンプを視察する予定。阪神監督として歴代最多の552勝を誇る名将の分析力と情報収集力は、開幕に向かう新生チームの大きな武器になるはずだ。（鈴木 光）