広島は11日、宮崎・日南での1次キャンプを打ち上げ、あす13日からの2次キャンプに備えて沖縄入りした。新井貴浩監督(48)は、11日間を振り返り、充実感を漂わせた一方、若手に対しては沖縄2次キャンプで予定されている実戦7試合で「強い姿を見せてもらいたい」とハッパをかけた。2軍との入れ替えも同キャンプ期間中は行わない方針を明言。1軍生き残りを懸けた争いは、26日の2次キャンプ打ち上げまでが第一関門となりそうだ。
球界の正月を迎えてから、はや11日が経過。宮崎・日南での1次キャンプを打ち上げた新井監督は、その表情に充実感を漂わせた。
「非常に充実した(日南)キャンプだった。しっかり投手も野手も練習してきたなという印象。ここから実戦も、対外試合を含めて増えてきますので、そこでもっとアピールしてもらいたい」
「競争」と「育成」の両立を掲げ、レベルアップを図る春。1軍メンバーの日本人選手平均年齢は25・4歳の若手中心。「育成のカープ」を象徴するように、日南1次キャンプの練習量も例年より増えた。
目指すは、課題の得点力不足の解消。昨秋キャンプと同様、練習メニューは打撃練習に比重が置かれ、若手、中堅は連日、連続ティー打撃やロングティーに取り組んだ。多くの選手が午前8時ごろまでには球場入りし、午後6時ごろまで約10時間、練習に励む日々を送った。指揮官は言う。
「野手は振る力はついていると思う。日本代表の井端監督が来られた時に“カープの若い選手はみんな振れているな”と言っておられた。パッと来た方にそういうふうに言ってもらえるのは、力がついてきていると思う」
そしていよいよ「競争」が本格化する。あす13日からの2次キャンプに備え1軍本隊はこの日、沖縄入り。新井監督が若手に向けた言葉が、サバイバル開始のゴングといえた。
「投手も野手も含めて勝負において強い姿を見せてもらいたい」
昨秋から日南1次キャンプにかけての“準備期間”は終了。ここからは開幕1軍を懸けた争いが激化する。それは若ゴイたちが、誰よりも分かっている。
外野でレギュラー奪取を目指す高卒4年目の田村は「振ってとかではなくて、結果を出してアピールしていかないと。ここからのために、昨秋から振ってきたようなもの」と言葉に力を込めた。初の開幕1軍を狙う高卒3年目の内田も「いい結果も悪い結果もあると思うが、悪い結果を恐れずに積極的に挑戦したい」と意気込んだ。
今キャンプ中に2軍との入れ替えはしない方針。田村、内田をはじめ、仲田、佐藤啓、韮沢、中村貴ら若手にとっては、沖縄での実戦7試合が、生き残りを懸けた機会となる。 (長谷川 凡記)
C…坂倉が日南1次キャンプ打ち上げの手締めのあいさつを務めた。マウンド付近につくられた円陣の中央に立ち、日南市関係者やファンに感謝を述べた後、「ここ2年、惜しいところで優勝を逃しています。この世界、惜しいではだめです。カープが強いことを証明し、新井監督を日本一の男にしましょう」と声を張った。最後に一本締めし、選手と首脳陣が全員でハイタッチをして天福球場をあとにした。