◇ACLE東地区1次リーグ第7戦 神戸4―0上海海港(2025年2月11日 ノエスタ)
東地区1次リーグ第7戦が11日に行われ、神戸、川崎F、横浜Mの日本勢3クラブが決勝トーナメント進出を決めた。神戸は昨季リーグMVPに輝いたFW武藤嘉紀(32)が先制点を挙げるなどホームで上海海港(中国)を4―0で圧倒。FW大迫勇也(34)にもゴールが生まれた。
悲願のアジア制覇を狙う25年シーズンのチーム第1号は、昨季リーグMVP男の右足から生まれた。前半11分、左からのクロスを冷静に収めた武藤がGKの股下を射抜く豪快な先制弾。4発快勝の号砲を鳴らした。後半11分には鋭いカウンターから決定的な3点目をアシスト。1得点1アシストと大暴れだ。
ただ、後半13分に交代。武藤は「また、ゆっくり話します」と一言だけ発し、右足を引きずりながら取材エリアを通り抜けた。吉田孝行監督は武藤が打撲したことを明かし「点差も開いていたので無理させられなかった」と多くを語らなかった。15日にはリーグ開幕・浦和戦が控える。出場可否は回復次第になるが、それでもチームに求める“基準”を示すことができた。
背後を狙う動きと強度の高いプレスを何度も見せた。球際での戦いを含め、チーム全体を攻守で活性化させた。若手や新戦力が多く起用され0―2で敗れた8日の富士フイルム・スーパー杯の広島戦とは見違えるパフォーマンス。指揮官も「やりたいサッカーができて良かった。特に前半はアグレッシブにできたし、相手の運動量が落ちた後半も追加点を取れた」と称えた。
広島戦から公式戦8連戦の過密日程となっているが、ACLE1次リーグ突破が確定。MF井手口やFW宮代ら負傷者が多い中、最終戦の敵地・上海申花戦で主力を休ませることができる。そして何よりも浦和戦へ勢いをつけて臨める。それほど武藤から始まった圧勝劇の意味は大きい。 (飯間 健)
≪大迫はPK失敗も芸術ボレー≫
○…エース大迫はPK失敗からの芸術ボレーで25年シーズン初得点を挙げた。「うまく流し込めた。良い得点だった」。3点リードの後半36分、扇原のFKを相手DFラインの背後に走り込みながら右足で合わせた。その3分前にはPKを失敗していただけに、相変わらずの“メンタルモンスター”ぶりを発揮。「決めないといけないシーンだった」と昨年から続くPK失敗を猛省したが「やり続けたい」と今後もキッカーとしての責任を果たすつもりだ。