ドジャースの大谷翔平投手(30)が11日(日本時間同日深夜)、バッテリー組のキャンプ初日を迎えた。10日はキャンプ施設で自主トレに参加し、2年ぶりの投手復帰を目指すシーズンに向け、傾斜を使っての壁当てやティー打撃など投打で精力的に汗を流した。二刀流での完全復活、そしてワールドシリーズ連覇を見据えるド軍2年目。いよいよ新章がスタートする。
前日に真美子夫人や愛犬デコピンとつかの間の休日を過ごしたサブグラウンドが“仕事場”に戻った。午前11時過ぎ。ドジャースの帽子を後ろ向きにかぶった大谷は、メディシンボールで壁当て。マウンドに見立てた傾斜板から壁にプライオボール(重さの違う6種類のボール)も投げ込んだ。
その後は通常より長いバットなど数本を持って室内練習場へ移動。エンゼルス在籍時に初のMVPに輝いた21年からルーティンとして取り入れる、3歩ほど前にステップしてから、4歩目に右足を高く上げてスイングするティー打撃を行うなど約50分、打者のメニューを消化した。ロッテから佐々木ら新戦力も多く加入し、迎えたド軍加入2年目。キャンプイン前日も精力的に動き、投打で最善の準備を整えた。
10年契約の1年目だった昨年は打者に専念してメジャー史上初の「50―50(54本塁打、59盗塁)」を達成し、チームも世界一。今季は23年9月の右肘手術から2年ぶりに投手復帰する。1日に本拠地で行われたファンイベントでは、世界一後のシャンパンファイトで「これをあと9回やろう」とナインに呼びかけた真意を問われ「心の底からそう思っている。するんだと思って僕は契約している」と力説。チームを勝たせるための二刀流であることは、大谷自身が誰よりも自覚している。
今回の自主トレ期間中は投手としてノーワインドアップやグラブを持つ左手を畳むような新フォームも試している。昨秋のワールドシリーズで脱臼した左肩手術後のリハビリも順調そのもの。世界一への旅が再び始まる。(柳原 直之)