◇練習試合 日本ハム6―4楽天(2025年2月11日 金武)
日本ハム・水野達稀内野手(24)が11日、チームの今季初の対外試合となる楽天戦に「9番・遊撃」で出場し、7回の右中間三塁打など、3安打1打点をマークした。同じポジションで、楽天ドラフト1位の黄金ルーキー・宗山塁内野手(21=明大)にも負けない輝きを見せた。打てる遊撃手は貴重なだけに、内野のキーマンとなる不動のレギュラーに向けて、上々の結果となった。
昨春キャンプでは新庄監督から、水野はひそかにレギュラーと伝えられていた。今季の指揮官は全員のレギュラー白紙を明言し、競争を促す。アピール合戦の中で、昨季キャリアハイの105試合に出場し7本塁打をマークした4年目はしっかりと存在感を示した。
「(対外試合は)1試合目だったので、最初の打席で安打が出たのが楽になりました」
最初の見せ場は、2回1死二塁だ。2ボールからファーストストライクとなるフォークを捉え、中前へ鮮やかに運ぶ決勝の先制適時打。3回にも右前打を放つと、7回には右翼フェンス直撃の三塁打。一時は本塁打判定となったが、審判団が協議して三塁打に変更され「幻のアーチ」に。「ベンチに戻ったら三塁に戻れって言われたので、勘弁してくれよと思いました」と頭をかいたが、新庄監督は「水野君の打球よ。いい打球打つわー」と称賛した。
今オフは、山なりの遅い球を打つ練習を繰り返した。体全体を使ってバットを振ることを染み込ませる意図で行ったもので、早速、結果として表れたことに「自分の気持ち良く振れるスイングを意識してやっていた。今日は理想に近い打撃ができたかな」と手応えをにじませた。
楽天の遊撃には、ドラフト1位・宗山がスタメン出場。抽選で外れたが、日本ハムも1位指名で入札したほどのスーパールーキーで、金武町の球場は外野スタンドまで開放されるフィーバーぶりだった。同僚となっていれば、ライバルとなるはずだった宗山も2安打したが、水野はそれを上回る3安打。守備でも軽快な動きで無失策とプロの先輩の威厳を見せ「さすがドラ1だなっていうふうに思う。でも、僕は比較とかしたくない。あまり気にしていないのが正直な感想」と胸を張った。
結果は伴ったが、まだ若手や調整段階の投手から打ったまでのこと。「やっぱりうちだったら(斎藤)友貴哉さんとか、150キロを超える球を打たないといけない。早めに球が速い投手と対戦したい」。あくまで開幕とシーズンに視線を向ける水野の姿は、風格さえ漂っていた。(田中 健人)