第15回「白鵬杯」世界少年相撲大会(特別協賛・SANKYO)が11日、東京・両国国技館で行われた。モンゴルやウクライナの強豪国に加え、初参加のウズベキスタン、キルギス、スコットランド、アゼルバイジャンなど海外からは14の国や地域が参加。計166チーム、約1100人の選手たちが熱戦を繰り広げた。
244人が出場した個人戦中学生の部は、1年生のテムージン・チルグン(鳥取・因幡相撲道場)が頂点に立った。決勝の相手は、昨年8月の全国都道府県中学生大会覇者の片桐恭晟(石川・小竹接骨院相撲クラブ3年)。立ち合いから一気に攻め込まれたが、左四つに組んで土俵際で残すと両まわしを引き付けて攻め返して力強く寄り倒した。
モンゴル出身で身長1メートル80、体重120キロの巨体を誇る“怪物”。小学生時代から日本の大会でも活躍し、5年時に白鵬杯3位、6年時にわんぱく相撲全国大会3位などの実績を残してきた。昨年春に来日して鳥取西中に相撲留学。1年生ながら鳥取県大会を制し、8月の全国都道府県中学生大会ではベスト16だった。白鵬杯中学生の部で2年生以下が優勝するのは大会史上初。かつて全国都道府県中学生大会で打越奎也(のちの小結・阿武咲)が2年生ながら優勝したことはあるが、1年生が全国制覇を達成するのは極めて異例の快挙となった。
5人制の団体戦は、東京・小松竜道場が2年連続3度目の優勝を果たした。決勝はモンゴルチームと対戦。0―2で迎えた中堅戦、2年連続全国3冠の梅松琉牙(小6)が圧倒的な強さを見せて1点返した。副将戦は、甲山親方(元幕内・大碇)の三男で十両・若碇の弟の斎藤夕剛(中3)が勝利。最後は牧鷹山(中3)が2―2の大将戦を制し、0―2の後がない状況から3連勝で逆転した。
▽中学生の部 準々決勝
片桐恭晟(石川・小竹接骨院相撲クラブ3年) 引き落とし 垣添海樹(大分雷3年)
ウルゼーヒシグ・ハシマラガタ(鳥取・因幡相撲クラブ2年) 寄り倒し 菅間奏心(鹿児島・伊崎田相撲クラブ2年)
テムージン・チルグン(鳥取・因幡相撲クラブ1年) 寄り倒し 中村颯斗(石川・野々市学院クラブ3年)
椿留一(埼玉・戸田相撲連盟3年) 寄り切り 滝仁智華(富山市相撲教室)
▽準決勝
片桐恭晟 引き落とし ハシマラガタ
チルグン 寄り切り 椿留一
▽決勝
チルグン 寄り倒し 片桐恭晟
▽団体戦 準々決勝
小松竜道場(東京) 4―1 追風海道場(青森)
文京針ケ谷相撲クラブ(東京) 3―2 因幡相撲クラブ(鳥取)
モンゴル 5―0 立川練成館(東京)
阿蘇相撲愛育会(熊本) 4―1 仙台相撲クラブ(宮城)
▽準決勝
小松竜道場 3―2 文京針ケ谷相撲クラブ
モンゴル 4―1 阿蘇相撲愛育会
▽決勝
小松竜道場 3―2 モンゴル