ウェールズ・ラグビー協会は11日、代表チームのウォーレン・ガットランド・ヘッドコーチ(HC、61)が双方合意の下で退任すると発表した。8日の欧州6カ国対抗戦でイタリアに15-22で敗れ、ワースト記録を更新するテストマッチ14連敗を喫していた。残り3試合の欧州6カ国対抗戦は、カーディフを率いているマット・シェラット氏が暫定的に指揮を執る。
ニュージーランド出身のガットランド氏は07年、ウェールズ代表HCに就任。強固なディフェンスを軸にチームをつくりあげ、6カ国対抗優勝3度、世界ランキング1位などの実績を残し、4強入りした19年W杯日本大会後に一度退任した。22年から再び指揮を執り、若手を積極的に起用したが、26試合で6勝しか挙げられなかった。
ウェールズ代表はガットランドHCの1期目を支えた主力選手たちが次々と引退。資金不足により13年に国立アカデミーが閉鎖された影響で若手選手の育成が進まず、協会内でも性差別スキャンダルで幹部が辞任し、選手が契約をめぐりストライキを示唆するなどゴタゴタが続いていた。2度目のHC就任後に「当時そのことを知っていたら違う選択をしていただろう」と話していたガットランド氏は、「我々はハードワークをしてきた。若い選手たちは成長しながら結果を出そう懸命に努力を重ねてきたが、今こそ変化の時だ」とコメントを発表した。
シェラット暫定HCの任期は欧州6カ国対抗戦終了まで。ウェールズは7月5日(ミクスタ)と12日(ノエスタ)に日本代表とテストマッチを戦うが、改めて任命された新HCが指揮を執るという。