米国のラッパー、カニエ・ウエスト(47)が所属芸能事務所「33&WEST」から契約を解除されたと、米英メディアが11日に報じた。音楽部門代理人のダニエル・マッカートニー氏はインスタグラムのストーリーズで、ウエストを10日付で顧客名簿から削除したと発表。「容認できない有害で憎悪に満ちた発言をしたため、ただちに代理人を辞任する」と理由を説明した。
英デーリー・ミラー紙によると、ウエストはX(旧ツイッター)に「ヒトラーを愛している」などとナチス礼賛の投稿を連発。ユダヤ人差別のコメントを繰り返し、「俺は人種差別主義者だ」と言い切った。Xのアカウントは10日に無効化された。
英デーリー・メール紙は、ウエストがユダヤ人の元女性スタッフにヒトラーを礼賛するメッセージや裸の女性の写真を送りつけて訴えられたほか、ナチズムを非難する声明を出すように助言したマーケティング専門家に「俺はナチスだ」と返信したと報道。また、米プロフットボールNFLの王座決定戦、スーパーボウルのCMを利用し、ナチスの「かぎ十字」が描かれたTシャツを販売する自身の通販サイトへ誘導したという。このサイトも現在は閉鎖されている。
ウエストは22年にも反ユダヤ発言でタレント事務所「クリエーティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)」を解雇されていた。今月2日に開かれたグラミー賞の授賞式では、全裸のように見えるシースルードレスを着た妻で建築家のビアン・センソリを伴ってレッドカーペットに現れていた。