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NHK会長 旧ジャニ問題で同局トイレでの性被害報道“訂正”に「取材尽くす努力足りなかった」

スポニチアネックス 2025年2月12日 14時22分

 NHKの稲葉延雄会長が12日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、10日放送の「ニュース7」で23年10月に報じた「02年秋に故ジャニー喜多川氏からNHK放送センター内のトイレで性被害に遭った」という男性の証言について、被害の時期に誤りがあったと訂正したことについてコメントした。

 稲葉会長は今回の修正について「男性からの申告内容に変わりはない」「NHK内部での性加害も変わりはない」との立場を強調。取材を進める中で、“時期”に誤りがあったことについては「より慎重な伝え方が必要だったのではないか」と見解を示した。

 さらに「今回、大変難しい取材ではあったと思うが、だからこそ、公共放送であるNHKは取材を尽くす必要がある。その面での努力が足りなかったということ。そのことを報道部に対しても徹底していきたい」とコメントした。

 今回の件で「男性からの申告内容に変わりはない」ものと判断した根拠について、担当者は「男性側は被害に遭ったという申告内容に変わりないと言っている。我々の取材については証言は一環しているし、NHKのその時の状況も一致はしている。全体として証言の信ぴょう性は変わりないとした」と説明した。

 今回の事案が発覚した際、NHK内部での調査を行わなかった。このことについて、必要性を問われた稲葉会長は「(当時は)極めて重要な問題だとは思わなかった」と話した。

 この日、故ジャニー喜多川氏の性加害問題で補償を進めている旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)がNHKのトイレ内で性被害に遭ったと補償を求めた男性に対して、SMILE-UP.社が補償金を支払う義務がないと訴えた裁判の第1回口頭弁論が千葉地裁で開かれ、男性側が争わない姿勢を示し裁判は終結した。

 訴状によると、男性は2002年ごろ、東京・渋谷のNHK放送センターで行われたレッスン中に故ジャニー喜多川氏に呼び出されてトイレの個室で被害に遭ったと主張。一方、SMILE-UP.社側は、男性と補償をめぐって協議を進める中で、被害の時期についての説明を変遷させるなどしたことで「申告に信用性が認められない」としていた。

 男性の代理人弁護士も「01年の可能性がある」と話しているといい、同局は「時期については慎重な伝え方が必要だった」と釈明。一方、被害に関しては男性の証言が一貫していることなどから「信ぴょう性は変わらない」と伝えた。

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