水谷八重子(85)、波乃久里子(79)、渡辺えり(70)共演の名作舞台「三婆」(13~24日)の公開稽古が12日、京都南座で行われた。
稽古前に取材に応じ、水谷は「あまりに久々、とっても好きな京都という街に負けております」と緊張感を漂わせ、波乃は「大好きな京都で大好きなお二人と三婆やれるのがとってもうれしい」と声を弾ませた。
渡辺は2022年1月、同劇場での「有頂天作家」で共演した故・渡辺徹さん(同年11月死去)との思い出を披露。「今回、私が使う楽屋が当時、徹さんが使ってた楽屋で。当時も具合が悪くて。楽屋で治療とかしながらも舞台ではまったく見せずに…みたいなことを思い出していた」と告白した。
さらに、山形出身を前面に押し出している渡辺だが「曽祖父が京都のお坊さんだった」と告白。「京都の太秦の撮影所でおはらいとか、やってたから。私も京都には縁がある」と意外な一面を明かすと驚きの声が上がった。
同作は作家・有吉佐和子氏の同名小説をもとに1973年に初めて舞台化されて以降、何度も再演を重ねる名作。戦後の高度成長期を舞台に急死したやり手社長の「本妻」「愛人」「妹」の3人が繰り広げる奇妙な共同生活を描く喜劇で、渡辺は「自分事と思ったらリアリティーがすごくて。(実生活でも)1人でどうやって暮らそう?って思うわけよ。弟?たったの2つ下よ。どっちが先逝くか分からない」と豪快に笑っていた。