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ヨ・ジング、映画「クォン・ボブ」の“降板事態”、何が問題なのか?

THE FACT JAPAN 2014年4月17日 13時56分


[スポーツソウルドットコム|キム・ガヨン記者] "所属事務所-制作社-投資配給社の亀裂に何の罪もない俳優のイメージが打撃を受けた。
先週末、俳優ヨ・ジング(17)のことで韓国のネット上は炎上した。理由は、出演することにした映画「クォン・ボブ」から降板される危機に置かれたという記事が報道されたからだ。ヨ・ジングの降板に強制性があるかどうか、それについての内容が絶えずに発信され、ネット上を騒がせた。
結局、ヨ・ジングは「クォン・ボブ」から降板した。同映画は、去る2011年にチョ・インソンが主演から降板したのに続き、3年ぶりに抜擢したヨ・ジングまで去ることになった。現在、再び主演俳優探しに乗り出した状況だ。
ヨ・ジングの降板の問題を巡り、所属事務所と制作社の主張は完全に分かれている。両方の話を聞いてみると、みんな間違ってはいない。ヨ・ジングの所属事務所のジェイノスエンターテイメントも、制作社であるスカイウォーカー側もそれなりの理由があった。
まず、所属事務所の話を聞いてみよう。所属事務所側が主張することは、制作社がすでにヨ・ジングと今年2月に「『クォン・ボブ』を撮影することを決めていたが、他の俳優に接触したのだ。これは明らかに契約違反であり、約束を破る行為。俳優との信頼が壊れた状況で一緒に働くことは話にならないというのが所属事務所側の話だ。さらに、ヨ・ジングがtvN「ジャガイモ星」と映画「私の心臓を撃て」を撮影した後、「クォン・ボブ」に合流することは問題がないという主張。
その一方、制作社は「クォン・ボブ」でヨ・ジングという俳優がどれだけ重要なのか、映画の重要度を無視したという論理だ。「4月の『ジャガイモ星』が終わって、すぐに「私の心臓を撃て」の撮影に参加し、7月まで撮影を終えてから『クォン・ボブ』に合流すると、8月に撮影を開始する『クォン・ボブ』を準備する時間が到底ない」という。 200億ウォン規模のSFジャンルで制作されるだけに、映画は今まで見せなかった様々なアクションと華麗な技を披露する予定だが、俳優がこれを習得する時間が全くないということだ。また、「引き続いて『私の心臓を撃て』に出演するという意志を見せるなら、決して『クォン・ボブ』の主演俳優として一緒に行くことができないし、これについては所属事務所側に何度も話した」と主張している。
ジェイノスエンターテインメント側とスカイウォーカー側の完全に食い違った主張の中で、投資配給を引き受けたCJエンターテイメントは同事件を手放している。“主演俳優が降板される危機に置かれた”、“他の俳優の名前まで議論されている”という話が数ヶ月間行き交ったが、最終的に事態を収拾せずにここまで至るように放置した。小さな規模の配給会社でもなく、国内最大規模の投資配給会社が適切に仕事を終えることができず、3年間待っていた作品を再び無期限延期にしてしまったのだ。
所属事務所と制作会社、投資配給会社などの三つの側が自分たちの利益を得ようと言い張るような状況で、罪もないヨ・ジングだけがイメージに損傷を受けた。ヨ・ジングは、子役俳優の中で最も嘱望される俳優で、昨年「ファイ 悪魔に育てられた少年」を通じていくつかの映画祭で新人賞を手に入れ、その演技力を認められた。活発な活動を期待したが、「ヨ・ジング=降板」という認識でイメージに打撃を受けた。

しかし、映画界ではある程度予想された結果だと言う。契約しても利益のためなら、堂々と契約を破ってしまう行為、俳優のことは考えずに無理やりに日程を決めてしまう行為など、一連の過程が全て合わさって発生したと分析している。
ある制作社の関係者は「マネジメント側では、ある俳優が人気を得ると、あれこれのすべてをさせるようとする傾向がある。作品を準備するためには最低限の時間が必要だが、それも考えずに片っ端からやらせる。俳優が消化できないほど。韓国最高に数えられる俳優たちは、一つの作品のために数ヶ月間準備する。制作社は、自身の作品に積極的に取り組もうという俳優と仕事をすることを欲しがる」と苦言を呈した。
あるマネジメント関係者は「お金に敏感な制作社や投資配給会社は利益をもたらしてくれる俳優だけをキャスティングしようとしている。契約自体も何の盾にならない。契約書に印鑑を押して突然破棄しても、文句を言えない。制作会社や投資配給会社がその俳優をこれから起用しないかもしれないという懸念で何の話もしていないのが現状。法的にも対応方法がない」とため息をついた。
実際にこれまで役者たちの作品降板問題は、持続的に提起された部分だ。特に助演の役者たちは制作会社の圧力に近い方法で降板を通知される。より良い条件の俳優がいる場合は、契約書にはんこを押したとしても退かなければならない状況。
所属事務所と制作会社が今回の事態について言及しながら同時に残した言葉がある。「幼い俳優が傷つかないでほしい」ということだ。しかし、4月から8月まで休む隙間なしで撮影を敢行した所属事務所や、男性主人公への信頼を壊してしまった制作会社、本当にヨ・ジングのことを考えた方は誰もいなかった。キャスティングに関連してのまともな信頼関係とそれに伴うシステムが構築されていない限り、「第2のヨ・ジング」がまた登場するという可能性は否定できない。

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