[スポーツソウルドットコム|キム・ギョンミンインターン記者] 歌謡界に「大きな事件」が起きた。最高の人気を博しているアイドルグループEXOのメンバー・クリスが所属事務所SMエンターテイメントを相手に専属契約無効を主張する訴訟を起こしたのだ。もちろん芸能界という所は、いつもこのような事件が起きる世界だが、今回のクリスとSMエンターテイメントの間での訴訟は、芸能人と大手所属社間の問題であるという点で、より「大変なこと」に受け取られている。
15日、ある中国メディアは「一か月前に吴亦凡(ウ・イ・パン、クリスの中国名)が所属事務所のSMエンターテイメントを相手に、専属契約無効訴訟を提起した」と報道した。昼間の時間ごろに知られた同事件のため、先輩記者たちは食事もできず、携帯電話で記事を見たり、関係者との通話などで忙しかった。このような雰囲気なので、インターン記者という身分である本人は、さらに心が重くなった。まさにこの日、EXOが舞台に上がる音楽番組「MCountdown」の現場に取材に行くことを計画していたからだ。
午後になって到着した、「MCountdown」の撮影が行われているCJ E&Mセンターでは、いつもと同じ雰囲気だった。相変わらずEXOのファンたちはCJ E&Mセンターの広場で傍聴のために終わりの見えない列に並んでいた。あるファンに近づいて話をかけると、洪水のように残念な気持ちを吐き出した。
彼女は「大邱(デグ)から今日上がってきた。ところが、このようなニュースが聞こえて、とても残念だ」とし、「EXOはすでに収録を終えて帰ったという」と周りに聞こえないように慎重に語った。隣にいた別のファンが、記者に「本当に帰ったか?」と泣きそうな顔で聞いた。
EXOが現場にいないという言葉を確認するために急いで建物に入った。向かったのは「MCountdown」の出演陣たちがいる楽屋。“EXO”という文字が刻まれた楽屋はあったが、中には誰もいなかった。普段、歌手たちよりも早くあちこちを走っていた関係者も見当たらなかった。現場での話をまとめると、EXOはすでに午前中に事前収録を終えた状態だという。
中国メディアで最初の報道が発した後、韓国には午後にそのニュースが伝えられた。午前中に事前収録を終えたということは、EXOが「クリス事態」をすでに予見していたと推測される。「クリスの事態」が一波万波広がった午後をEXOは事前に避けたのだ。
しかし、EXOは同日の放送でカムバックと同時に1位のトロフィーを獲得した。テレビの画面には、EXOのリーダー・スホが登場して人目を引いた。スホは1位の感想を話していた際、クリスの専属契約無効訴訟を指摘するような発言で注目を集めた。彼はトロフィーを胸に抱いて感謝の挨拶を伝えた後、「EXOのスローガンが“永遠”であるように、自分だけではなく、ファンのことを考える、メンバーのことを考えるEXOになります」と意味深長な言葉を残した。
1位の舞台には、リーダーのスホだけが上がり、他のメンバーたちは見られなかった。EXOは最近、新ミニアルバム「中毒(Overdose)」を発売して活発な活動を開始したばかりだ。来る23日から25日までは、ソウル・オリンピック体操競技場で単独コンサートも予定している。この日「MCountdown」で見られたEXOの歩みは、本格的な活動をしなければならない時期で起きたクリスとの不和に対する彼らの姿勢を窺わせるものだった。クリスとの不和とカムバック活動が重なったEXOが、今後どのような方法で支障を最小限に抑えてスケジュールを消化するか視線が集中されている。