キャスティングの段階からこのように関心が集中されたドラマはこれまでなかった。韓国版「のだめカンタービレ」の話だ。
世論の熱い関心は役者に負担になるはず。一体誰が引き受けるのだろうか。過熱された関心であちこちではため息がこぼれている。制作社側はキャスティングの難航と意図していない“ノイズマーケティングの疑い”で困っているし、候補者に上がった女優たちも望ましくない評価で相当なプレシャーを感じている状況だ。
「のだめカンタービレ」は、女主人公である“のだめ”に支えられる部分が多い作品だ。原作での上野樹里は漫画的な“のだめ”役を完璧に演じ、深い印象を残した。きれいではないが、魅力あふれる音楽の天才“のだめ”役のキャスティングに韓国ファンたちの視線が注がれる理由も、彼女の素晴らしい演技からだ。
そのためだろうか。ネット上では“のだめ”を置いて、仮想のキャスティングが相次いでいる。女優シム・ウンギョンをはじめ、イ・ハニ、ハ・ヨンス、チョン・ウヒなどが取り上げられた。少女時代のユナが沸騰している世論の中で出演オファーを断ったというニュースが伝わり、同ドラマのヒロインにはさらい熱い関心が当てられた。
その結果、キャスティングのオファーを受けたことさえない女優たちが、積極的な解明を出す事態まで至った。出演する可能性が少ないにも関わらず、世論の評価と反応を受けるのが負担になったのがその原因だ。実際にヒロイン役に言及されたある女優は、所属事務所を通じて「キャスティングの提案も受けていなかった」と線引きした。
ユナ側も最近の雰囲気を意識したのか、「のだめカンタービレ」の代わりに中韓合作映画を選んだ。ユナ側の関係者は、「『のだめカンタービレ』は検討していた作品の中で一つだった」とし、映画に集中する意向を明らかにした。「のだめ」のキャスティングに集中された過熱された関心に負担を感じたようだ。
最終的な選択は、女優シム・ウンギョンの手で決まる可能性が高い。彼女は女主人公キャスティングで第一順位の候補だったが、映画のスケジュールで出演を固辞していた。しかし、映画のスケジュールが遅延され、再び「のだめ」役への出演オファーを受けた。
シム・ウンギョン側は「前向きに検討しているが、まだ確定ではない」と確答を避ける模様だ。魅力的だが、お得になることも毒になることも可能な「のだめ」役に、頭を抱えていることがうかがえる。
制作社側も困っている。一応キャスティングに難航ができたのも大変なことだが、「今後のドラマプロモーションのためのノイズマーケティングだ」という指摘を受けているのがもっと痛い状況だ。ある関係者は「世間の関心は感謝することだが、事実上、ドラマ制作に役立つわけではない」と困った表情を隠さなかった。
この関係者は「現在放送されている『トロットの恋人』の後放送『恋愛の発見』が終わったあとが、『カンタービレロマンス』(韓国版「のだめカンタービレ」の仮題)だが、あまりにも早い関心だ。誰がやっても難しいキャラクターなのに、さらに熱い関心まで続くと、“のだめ”役はもちろん、他の主要キャラクター役の俳優たちも出演に負担を感じるに違いない」と説明した。
今の状況が続くと、誰でも簡単に“のだめ”役や「のだめカンタービレ」への出演を引き受けるのは難しいだろうが、初放送は10月に予定されている。
THE FACT|キム・ハンナ記者