[スポーツソウルドットコム|パク・ジヘ記者] KB国民銀行が相次ぐ海外支店の“不正”で災難が続いている。東京支店の数千億ウォン台の不実貸し出しで世間を騒がせたことに続き、カザフスタン支店の不実とマネーロンダリング疑惑が提起されながら、金融監督当局が国民銀行に対する監査を拡大した。
18日金融圏によると、金融監督院は国民銀行が持分を引き受けたカザフスタン・センタークレディット銀行の不正状況を把握するために、来月チョ・ヨンジェ金融監督院副院長と実務陣らが現地監査を行うと明らかにした。今回の監査は、カザフスタン中央銀行傘下の金融監督委員会院長が直接チェ・スヒョン金融監督院長に「上半期にセンタークレディット銀行の不正貸し出しが見つかった。また数件の規制違反も摘発された」という内容の公文を2回に渡って送ったことによるものだ。
国民銀行は2008年8月、約1兆ウォン(約94.5億円)を投資してカザフスタン内6位銀行だったセンタークレディット銀行の持分41.9%を買い取り、2代株主となった。しかし銀行を引き受けてから2年で、不正貸し出しなどにより数千億ウォン台の赤字を記録した。また当時センタークレディット銀行の買収を主導したカン・ジョンウォン前国民銀行長は、投資の決定当時、理事会の一部事案を虚偽で報告。意図的に落とした事実が摘発され、金融監督当局から重懲戒処分を受けた。他にも今年3月には、マネーロンダリングの状況が発覚。一ヶ月間外為部門の営業停止が与えられ、最近は会計と内部統制などの法律を違反した事実が相次いで摘発され、追加懲戒まで予想されている。さらにカザフスタンの現地不動産景気が沈滞、グローバル金融危機が重なってセンタークレディット銀行の株価が大幅下落し、継続して赤字を記録している。実際国民銀行はセンタークレディット銀行の持分を買収してから8,000億ウォン(約756億円)を超える損失が発生した。この問題に対して、センタークレディット銀行の資産評価を巡る議論が行われており、国民銀行の外部監査人として指定されたサムイルPWCは、最近監査報告書で2,800億ウォン(約265億円)程度で帳簿価額を評価したが、国民銀行がセンタークレディット銀行の評価を依頼した会計法人のサムジョンKPMGは、この銀行の帳簿価額を1,470億ウォン(約139億円)と算定し、サムジョンKPMGの評価とサムイルPWCの評価が約1千億ウォン台の差になると、国民銀行が貸し出し債権の貸倒引当金を過少計上したという疑惑が提起された。そのためセンタークレディット銀行は、国民銀行の内部でも“厄介者”となってしまった。9月就任した国民銀行のイ・ゴンホ頭取は、初の海外出張先としてセンタークレディット銀行を訪問したが、まだこれといった解決策が見つかっていない。これについて国民銀行の関係者は、「長期的な経済不況で、センタークレディット銀行だけでなく、カザフスタン内の銀行ら全体が困難な状況になっている。センタークレディット銀行が現在まで約8千億ウォンの損害が発生したことを考えると、不実銀行であることは間違いない」と認めた。しかし、最近提起された粉飾会計疑惑については、「センタークレディット銀行が継続して赤字になっているが、粉飾会計は絶対ない」と一蹴した。