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家族怒り「桂田社長はすべて人のせい。そうじゃない」知床・観光船沈没事故賠償15億円集団提訴

STVニュース北海道 2024年7月3日 18時59分

北海道・知床半島沖で2022年に起きた観光船沈没事故の乗客家族らが、運行会社と桂田社長に対し、およそ15億円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こしました。

会見で弁護団は「安全管理に気を配っていた人がいない」と強く訴えました。

(被害者弁護団 山田廣弁護士)「KAZU Iの安全運航に重大な責任を負っている桂田代表の紳士な謝罪もありません。家族はいまだに怒りに打ち震えています。誰一人として安全管理に配っていたものはいない」

乗客家族の怒りと苦しみの声を代弁した被害者弁護団。

訴えを起こしたのは、知床観光船沈没事故で死亡・行方不明となっている乗客14人の家族ら29人です。

2022年4月、知床沖で発生した観光船「KAZU I」の沈没事故。

海上保安庁は、知床遊覧船の桂田精一社長を業務上過失致死の疑いで捜査していますが、いまもなお大きな進展はなく、先行きは不透明です。

せめて損害賠償だけでもと、2024年7月3日に提出した訴状では、運航会社である「知床遊覧船」と桂田精一社長に対し、およそ15億円の支払いを求めています。

(被害者弁護団 佐藤敬治弁護士)「ハッチの蓋が適切に閉鎖できない状態だったこと。出航を中止すべき天候が予想されていたのに出航した。この2点が最も重大(な過失)であると考えています。桂田氏は本件事件による損害について賠償する責任を負うと結論付けている」

訴状では、安全管理や運航管理上の義務について知床遊覧船はことごとく無視・軽視していて、安全管理体制の欠如などから事故は起こるべくして起きたと指摘しています。

当時7歳の息子とその母親が行方不明の男性は、裁判に参加する思いを明かしていました。

(行方不明者の家族)「すべて他人のせいにして、船長が悪い、国が悪い、そうじゃなくて、自分の過ちをちゃんと認めてちゃんとした謝罪をしてほしいですね」

桂田社長の不誠実な対応が男性を苦しめていました。

弁護団は被害者家族の救済と再発防止を社会に訴える裁判にしたいとしています。

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