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あなたの知らない“暗算の世界” 暗算王国・北海道!日本一29歳に暗算界期待の新星・高校生も

STVニュース北海道 2024年10月20日 9時25分

【動画】あなたの知らない“暗算の世界”…北海道は「暗算王国」!日本一の29歳、期待の新星・高校生

頭の中で瞬時に計算する「暗算」。

その計算スピードと正確さを競う大会で、北海道内の男性が相次いで日本一に輝きました。

驚異のスピードで難問に挑む暗算競技。

計算技術を鍛え抜いた日本一の技とは?

15歳以下の暗算日本一を決める大会。

「第1位、永井選手」

札幌の高校1年生が見事、優勝!

目にも止まらぬ速さの数字を瞬時に足す暗算ではー

道内の男性が日本一に!

計算の格闘技ともいわれる暗算の世界に迫ります。

「14~15桁ぐらいまでなら…(照)」

馬産地・日高の浦河町です。

地元の信用金庫に勤めるこちらの男性。

一見すると、普通のサラリーマンのようですが…

(吉岡記者)「きょうはよろしくお願いいたします。突然なんですけど、願いましては!7万8456+8万569は?」

(浅野貴弘さん)「15万9025!」

(吉岡記者)「このぐらいは楽勝ですか?」

(浅野貴弘さん)「この3倍くらいは暗算できます。14~5桁くらいまでなら」

暗算の日本一に輝いた浅野貴弘さん(29)です。

普段はどんな仕事をしているかというと…

(浅野貴弘さん)「株とか債権、有価証券を売買する仕事をしています」

億単位のお金を動かす信用金庫の中でも責任の重い仕事。

利回りなど小数点以下の細かい数字も扱います。

そのため、同じ職場の上司や同僚は電卓が欠かせません。

(浅野さんの先輩 中川雅之さん)「使います。これがないと仕事できません」

でも浅野さんの机を見てみるとー

どこにも電卓が見当たりません。

(浅野貴弘さん)「持っていないです。打ち間違えの方が心配で」

日本一の実力の持ち主とはいえ、電卓なしで間違えることはないのでしょうか。

(吉岡記者)「間違えていることは…」

(浅野さんの上司 川村貴光さん)「最初はそう思ったんですけど、彼の出してくる数字を彼のいないところで検証したことあるんですけど、ちゃんと合っていますので信頼しています」

そんな浅野さんが得意とするのは「フラッシュ暗算」。

(浅野貴弘さん)「74万3433です」

次々と表示される数字を瞬時に足していく競技です。

8月8日に開催された全国大会で、浅野さんは見事日本の頂点に立ちました。

浅野さんがそろばんを習い始めたのは小学生の頃。

母親が自宅で営むそろばん教室で習ったのがきっかけでした。

北海道は“暗算王国” そのワケは…?

教室の中に入るとたくさんのトロフィーや盾が並んでいました。

(浅野貴弘さん)「実際にはあと5倍くらいあります。多分トロフィーと盾あわせて400~500個は獲ってきているかなと思います」

数々の実績は、圧倒的な練習量の成果です。

社会人になってからも、大会前は1日4時間の練習を重ねているといいます。

(浅野貴弘さん)「なんだかんだいっても競技が一番好きなので、そこで結果を出した時の達成感・感動というのは、大会の映像のガッツポーズなんかを見ていただいたらよくわかると思うんですけど、ああいう経験を1人でも多くの人にしてもらえたら」

実は、北海道は全国的に見ても暗算競技の強豪というのをご存じでしょうか。

暗算の最高段位・十段を持っている人の数は、北海道がなんと2位に入っているのです。

なぜ北海道がここまで強いのかー

それを探るべく、札幌のそろばん教室を訪ねました。

(若松尚弘先生)「願いましては、8兆7579億8659万3874円也」

この教室には十段を持つ生徒が14人も在籍しています。

そのうちの一人、高校1年生の永井悠聖さん。

暗算界で注目される期待の新星です。

15歳以下のそろばん日本一を決める全国大会。

永井さんは割り算や掛け算など6種目でスピードと正確さを競う総合競技に挑戦しました。

その結果はー

「第1位、永井選手!」

なんと全問正解で優勝!日本一に輝いたのです。

電卓片手に50代が暗算日本一高校生に挑戦してみた

その実力はどれほどのものなのか、私、宮永が電卓を使って勝負を挑みます。

計算問題は、6桁と6桁の掛け算を3問。

果たして日本一の実力とはー

スタートの合図と同時に、電卓を使って計算を始める宮永キャスター。

一方、開始2秒で永井さんは回答を記入し始めます。

18秒後には3問目を解き始めるという、驚きのスピードで…

開始21秒、永井さんが手をあげました。

(宮永キャスター)「1問しか解けなかった、いやすごいな、電卓を使っても完敗」

もちろん全問正解!

一体、頭の中はどうなっているのでしょうか。

(暗算アンダー15日本一 永井悠聖さん)「頭の中でそろばんをイメージして、そろばんで計算しています。答えがわかった時点でもう書いて、頭の中から消していっているみたいな」

母親に勧められ、小学1年生からそろばんを習い始めた永井さん。

元々数字が好きで、わずか5年で珠算も暗算も、最高位の十段に合格しました。

(宮永キャスター)「何が一番楽しかった?」

(暗算アンダー15日本一 永井悠聖さん)「練習したらその分どんどんはやくなっていったり、点数が伸びていったりとかで、どんどん上手くなっているなって思えるのが楽しい」

永井さんに教えている若松先生も、暗算十段の持ち主。

13年前に日本一に輝いた経験もあります。

なぜ北海道が暗算に強いのか聞いてみるとー

にわかに注目「そろばん」の効果

(若松尚弘先生)「関東の方が受験が激しくて、早く辞めちゃう子が多い。(北海道は)結構皆さん中学高校と長く続けてくれるので、自然とレベルがあがっていく」

全国珠算教育連盟によりますと、北海道は目標となる強豪選手が多く、交流もあることから、暗算に強いのではないかと分析しています。

若松先生は、そろばんを続けることがすべての学びにいい影響をもたらすと話します。

(若松尚弘先生)「学習姿勢であったり、集中力も記憶力もあがると言われている。全ての勉強の土台になるイメージで、頭の器づくりのような指導もしている。(いい影響があると)信じているし、そうだと思います」

子どものころの習い事の1つだったそろばん。

時代とともに教室の数は減りつつはありますが、子どもの能力を伸ばす大きな可能性を秘めています。

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