北海道猟友会は、自治体などとの連携が不十分な支部について、クマの駆除要請を拒否する方針を検討していることが分かりました。
道内各地で2024年も出没が相次ぐクマ。
現在は主に猟友会のハンターが駆除にあたっていますがー
北海道猟友会は、自治体や警察との連携が不十分な猟友会支部について、クマの駆除要請を拒否する方針を検討していることが分かりました。
2024年11月月6日の砂川市。
北海道猟友会の堀江篤会長が、2018年にクマが駆除された場所の視察にあたっていました。
この場所では砂川支部のハンター・池上治男さんが、市からの依頼でクマを駆除した際、周囲に人家があったことなどを理由に、銃の所持許可を取り消されていました。
池上さんは処分の撤回を求め道を提訴。
1審の札幌地裁は池上さんの主張を認め、処分の取り消しを言い渡しました。
しかし10月の2審判決で、札幌高裁は「周囲の建物に銃弾が到達する恐れがあった」などとして、1審判決を取り消していたのです。
(北海道猟友会砂川支部 池上治男さん)「ちょっと考えられない。一般のハンターが発砲することができなくなる」
北海道猟友会は「危険なクマの駆除を行うハンターが万が一の責任を負わされる」と高裁判決を問題視。
再来週にも開催される三役会で協議したうえで、自治体との連携が不十分な支部はクマの駆除要請を受けないよう周知する予定です。
標茶支部の後藤支部長は、今回の動きがハンターの不安払しょくにつながることを期待します。
(北海道猟友会標茶支部 後藤勲支部長)「警察官の許可があっても裁判沙汰になるようであれば何の意味もない。自治体と警察と猟友会がいまはまだバラバラになっている。三者が一体となってきちんとした話し合いをしながらやっていかねばいけない」
民間のハンターが担ってきた危険なクマの駆除。
関係者によりますと、自治体と良好な関係を築いてクマ駆除に協力する支部もあるため、各支部の判断が尊重される見通しです。