親子3人が逮捕・起訴されたすすきののホテル殺人事件で、母親の7回目の裁判が開かれました。
2024年12月12日の被告人質問で母親は、自宅に男性の頭部があった状況などを涙ながらに話しました。
(浩子被告)「被害者には愛する家族と過ごす時間があったと思うと、申し訳ない」
声を震わせながらこう話した浩子被告。
2024年6月の初公判以来、およそ半年ぶりに発した言葉は、被害者やその家族に対する謝罪からでした。
2023年7月、札幌・すすきののホテル客室から62歳の男性の遺体が頭部のない状態で見つかった事件では、田村瑠奈被告と父親の修被告、母親の浩子被告の一家3人が逮捕・起訴されています。
このうち、死体遺棄ほう助などの罪に問われている浩子被告。
12日に行われた弁護側の被告人質問では、瑠奈被告から敬遠され始めた出来事を話しました。
(弁護士)「瑠奈被告が『瑠奈は死んだ』と言い始めたのはいつ?」
(浩子被告)「19、20歳のときくらい。単位が取れなくて(高校を)卒業できないことを私はストレスに感じていた。『どうしてできないか』と言葉にしたことを後悔している。ある意味ひとつのきっかけかと思っている」
さらに、瑠奈被告と男性の性的トラブルについて問われるとー
(浩子被告)「『ひどい人だ』と言っていたので怒っていると思った。病院に駆け込んだので、望まぬ妊娠をすることなどをすごく恐れていると感じた」
(弁護士)「被害男性に対して『殺したい』などは言っていたか?」
(浩子被告)「強い言葉を使っていた記憶は一切ない」
初公判で頭部を隠すことなどを容認したとする起訴内容について、否認していた浩子被告。
12日の裁判で、頭部を見たときの状況を涙ながらにこう話しました。
(浩子被告)「(瑠奈被告に)『ちょっと来てみて』と言われて(浴室に)行ったら、それがそこにあって。絶望的な気持ちになって。最愛の娘が取り返しのつかないことをしてしまったと思った。常軌を逸しているのは分かったが、娘の気持ちに合わせて『すごいね』と言ったはず」
撮影を手伝ってほしいと瑠奈被告に言われたことに関しては、「自分の精神が耐えられるか自信がない」「修被告に撮影するよう言ったと思う」などと述べました。
これまでの裁判で、瑠奈被告や修被告の証拠は提出されましたが、浩子被告に関わる物的証拠が少ない今回の裁判。
12日の被告人質問で話す内容は今後の判決に大きく影響してくると専門家は指摘しています。
(シティ総合法律事務所 元検事 中村浩士弁護士)「被告人の供述内容が、これまでに出た証拠関係や明らかになっている客観的状況に整合するのかしないのか。そこに大きく直結するので、ほう助罪が成立するのか無罪になるのか大きな判断要素になってくる」
次回の裁判は12月20日で、検察側の被告人質問が行われる予定です。