JR北海道は2025年3月に予定するダイヤ改正の内容を発表しました。
ポイントは、高速道路を意識した「鉄道利用の訴求」と「コスト削減」です。
(JR北海道鉄道事業本部 佐藤一朗運輸部長)「都市間をマイカーや高速バス、高速道路も延伸するので、もう一度客を訴求していきたいのが最大の目的」
厳しい経営が続くJR北海道。
13日の会見では、「鉄道利用の訴求」と「コスト削減」を念頭に置いたダイヤ改正の内容が打ち出されました。
一部の特急列車で取り入れられるのが時間短縮です。
午後2時前に札幌を出発する「おおぞら7号」は追分、新夕張、池田、白糠を通過し、釧路までの所要時間はおよそ30分短縮。
マイカーや都市間バスを意識し、4時間切りを実現します。
同様に、午前6時札幌発の「北斗2号」は伊達紋別、大沼公園、五稜郭を通過、函館までの所要時間を4分短縮し、3時間29分で結びます。
(帯広市民)「短くなるのは助かります」
(札幌市民)「函館は行くのにすごい時間がかかるので。いろんなところに行くには時間が短い方がありがたい」
(札幌から釧路に出張に来た人)「(短縮は)ありがたい。いまだと4時間半で時間がかかりすぎるので疲れる」
しかし、通過駅がある自治体からは不安の声が聞かれました。
(伊達市 堀井敬太市長)「こうした通過を皮切りにして、ほかの特急列車も通過駅化されることや、減便がなし崩しになるのではないかという危機感を持っている。利便性の低下もマチづくりにとって非常にデメリットが大きい」
このほか、札幌と旭川を結ぶ特急列車は、利用客が少ない午前5時18分旭川発と午後11時5分札幌発の列車をとりやめます。
代わりに需要を見込んで、午後4時半札幌発と午後9時旭川発の特急が新たに運行されることになります。
一方、利用者の減少で快速列車に置き換わるのが、旭川と網走を結ぶ特急「大雪」です。
2両編成のワンマン列車となり、毎日運行される予定です。
(北見市民)「どんどん減らされて最後にはなくなるのかなって。みんな真剣に考えないといけないなと、これから先を考えてしまう」
このほか、JR北海道は利用客の少ない5つの駅の廃止などを進め、年間1億4000万円のコスト削減を見込みます。
(JR北海道鉄道事業本部 佐藤一朗運輸部長)「コロナ禍後にかなり利用が落ちまして、なかなか利用が戻ってこない線区がある。利用が少ないところは輸送力を適正に合わせていきたい」
ダイヤ改正は2025年3月15日に予定されています。