北海道釧路市で12月10日午後4時過ぎ、女子中学生の3人が下校中、道端に体育座りでうずくまっている高齢の女性を見かけました。
3人が「どうしましたか?」と声をかけると、女性は「小学生の息子を探している」返答しました。
女性は80代で小学生の子がいるのは変だし「迷子かな」と感じながら、3人は「とりあえず小学校そこだから行った方がいいですよ」と話しかけ、一旦は通りすぎました。
しかし、振り返ると女性に動き始める様子もなく、上着はシャツ1枚の薄着で家からそのまま出て来たような服装。
寒空にあたりはすっかり暗くなっていました。
3人は心配になり、引き返して再び声をかけます。
「おんぶしますよ」
3人はとっさの連携で身長が高かった野崎さんが女性をおんぶ。
関口さんと渡辺さんは、1人が3人の荷物と女性の杖を持ち、もう1人は小学校に助けを求めに行きました。
小学校までは100メートルほど。
溶けた雪が凍った路面に、おんぶした野崎さんは「滑りそうで怖い」と思いながら、転ばないように5分ほどで先生に引き渡しました。
女性は「情けない。申し訳ない」と話し、病院に搬送されましたが、その後、回復したということです。
警察によりますと、女性は認知症で低体温症のおそれもあった状態で、救助しなければ最悪の事態も考えられたといいます。
釧路警察署の本間博幸署長は「勇気ある行動で大人でもなかなかできない的確な救助だった」と3人に感謝しました。
3人は「助けられて良かった」「3人だから勇気を出せた」「将来は人を助けられるような医療従事者か学校の先生なりたい」と話していました。