薬局の整備事業をめぐり、特定の業者に便宜を図った入札妨害事件で、札幌高裁は業者側の元社長ら2人に、一審の有罪判決を破棄し、無罪判決を言い渡しました。
公契約関係競売入札妨害の罪に問われていたのは、調剤薬局を経営するアインファーマシーズの元社長・酒井雅人被告、元取締役の新山典義被告の2人です。
2人は2020年11月から12月に、KKR札幌医療センターの元事務部長の男と共謀し、KKR側が敷地内に調剤薬局を開設するための入札で、他の会社の企画提案書の内容をアイン社側に漏らし、アイン社側が一度提出していた企画提案書を締め切り期限後に差し替えていました。
28日の判決で札幌高裁は、「行為が公平性を欠くものであることは明らか」とした上で、「刑法で規定する入札には該当しない」などとして1審の有罪判決を破棄し、2人に無罪判決を言い渡しました。
(被告側 弘中淳一郎弁護士)「こちらの主張が全面的に通った、内容的には大変いい判決だと思います」
検察は「判決内容を精査し適切に対応したい」とコメントしています。