【画像】「首を拾っただけなのに…」娘の言葉を母親が証言 札幌・すすきの殺人事件
札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、殺人ほう助や死体遺棄ほう助などの罪の問われている父親の田村修被告(61)の7回目の裁判が2月4日に札幌地裁で開かれました。
裁判では1月30日に引き続き、母親の浩子被告(62)の証人尋問が行われました。
<検察から浩子被告への尋問>
◆瑠奈被告のウィッグや被害男性の頭部について
Q. 瑠奈被告は被害者と会うために、出かけるとき金髪ウィッグをかぶっていた?
A. はい。
Q. ウィッグが必要な理由は聞いたか?
A. 娘から聞いた話で記憶に残っているのは、ウィッグはおじさんとホテルに入るときに映るのが嫌だと聞いた覚えがあります。
Q. 何に映るのが嫌だということか?
A. カメラだと思います。防犯カメラだと思いました。
Q. (2023年)7月3日の朝刊にすすきので事件があったという記事をみて、瑠奈が関連していると思った?
A. はい。
Q. その後、男性の頭部がないという報道が出たが、黒いごみ袋には被害者の頭部が入っていると思ったか?
A. 確信を持っていたわけではないですが…ちょっとあいまいです。
Q. 7月3日の朝刊で瑠奈被告が被害者を殺したと確信したと話していたが、そのときも修被告には相談していない?
A. 私の記憶では、すぐにした覚えがないです。
Q. 頭部を見たのは何日のこと?
A. 覚えておりません。
Q. 頭部を見せられたのは修被告のビデオ撮影よりも前か後か?
A. 前だと思います。
Q. 瑠奈に頭部を見せられたとき「すごいね」と言ったのか?
A. 言ったと思います。
Q. とがめたりはしなかったのか?
A. 娘の内心がわからない状況で、とがめるとかができる状況ではなかった。通報できませんでした。
Q. なぜ頭部を持ち帰ってきたか、瑠奈被告に尋ねたことは?
A. 尋ねたことはありません。
Q. 頭部を持ち帰ってきて何をするつもりか尋ねたことは?
A. ありません。
Q. 頭部があることについて修被告に相談したことは?
A. LINEとかで相談はしていないと思います。
Q. 3人で事件について話し合おうということは?
A. なかったです。
Q. 瑠奈に「風呂に入れないから浴室から(頭部を)出してほしい」とは?
A. 頼んでいません。
<弁護側から浩子被告への尋問>
弁護側は検察が1月30日の証人尋問で指摘していた浩子被告の捜査段階の供述について、尋問を続けました。
Q. 1月30日の尋問の後、取り調べの録音録画映像などを一緒に時間をかけて確認してもらいましたね?
A. はい。
Q. 先週の尋問のとき、検察官から「エタノールを買ってきたということですけれども、娘の計画に必要なものだから買ったという趣旨のことを供述したことありませんでしたか?」と質問され、浩子さんは「そう答えたかもしれません」と証言しましたね?
A. はい。
Q.(捜査段階の取り調べの)7月24日の録画を私と一緒に確認してみて、エタノールという単語が警察官の発言も含めて6か所出ていて、すべてひとつひとつ確認しましたね?
A. はい。
Q. エタノールについて「娘の計画に必要なものだから買った」という趣旨の発言はあったか?
A. ありませんでした。
Q. 浩子さんは調書の「娘が計画に必要なものとして買いました」という部分について、何の訂正も求めないまま調書に署名していますね?
A. はい。
Q. なぜ調書の訂正を求めなかったのか?
A. あまりにも訂正しなければいけない所があって、抜け落ちたんだと思います。
Q. 先週、検察官からエタノールに関して同じような質問を2回受けていて、「エタノールは娘の計画に必要なものとして買ったと話していましたよね?」と聞かれて、「話したと思います」と証言しましたね?
A. はい。
Q. 証言してしまったのはなぜ?
A.2度も同じことを言ってきたのと、事実があるかのように聞かれたので、間違いないだろうと思って言ってしまいました。
Q. 検察官の質問自体が誤導、誤った方向に導く質問だったということ?
A. 私はそう認識しています。
◆瑠奈被告の事件への動機について
Q. 動機について瑠奈さん本人には聞かなかったということですが、結局瑠奈さんが事件を起こした動機について、検事や警察官、弁護人などからはどう聞いている?
A. 検事や警察官からは何も聞いていませんが、「首を拾っただけなのになぜ外に出してもらえないのか」と話していると弁護人から聞きました。
Q. 結局、瑠奈さんはなぜ事件を起こしたと推測している?
A. 娘の頭の中に何が起こっていたか分かりませんので、全く推測できません。
起訴状によりますと、父親の修被告は2023年、犯行に使われたのこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘の瑠奈被告(30)に提供。
瑠奈被告を事件当日に車で送迎したほか、瑠奈被告が殺害し、自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われています。
修被告は初公判で「娘の犯行を知ったのは事件があった後」などと起訴内容を否認し、無罪を主張しています。