札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかった事件で、逮捕・起訴された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父親の田村修被告(61)の9回目の裁判が2月6日に札幌地裁で開かれました。
裁判では2月5日に引き続き、修被告に対する検察の被告人質問が行われ、修被告のスマートフォンの検索履歴や犯行に使われたキャリーケースなどの証拠について質問が続きました。
検察から修被告への質問です。
スマートフォンの検索履歴に「殺人 時効」
Q. 事件前の7月1日の午後8時15分にあなたのスマートフォンで「殺人 時効」と検索されているが、あなたが検索したものではない?
A. はい。
Q. 瑠奈が検索したと思う?
A. 私がしていないとなると娘がしたことになる。
Q. 1分後のNPO職員に「ありがとうございます」とLINEで送信したのはあなた?
A. 1分20…何秒後かのやつですよね。そうだと思います。
Q. このときは瑠奈とゲームセンターにいた?
A. そのように伺っております。
Q. ゲームセンターに行きたいと言ったのは?
A. 娘です。
Q. 瑠奈は入店した後にゲームは?
A. どこかの時間帯でゲームはしていたと思います。
Q. あなたは検索した記憶はないと。瑠奈にスマートフォンを貸した記憶は?
A. 日常的に貸すことはよくありました。
キャリーケース「一番大きいものがほしい」
Q. 瑠奈は被害男性に会うのにドールの保管用に買ったキャリーケースを持って行った?
A. はい。
Q. なぜドールの保管用に買ったキャリーケースを持って行くのか、おかしいとは?
A. 特に思いませんでした。
Q. このキャリーケースは「耐荷重100キロ」とか調べながらあなたが買った?
A. 買いました。
Q. ドールを入れて30キロくらいでは?
A. たしかに100キロにはなりません。
Q. なぜ100キロと?
A. 一緒に見ていた娘からまず100キロと言われて、いろいろやっているうちに「一番大きいものがほしい」と言われて買ったことになります。
Q. キャリーケースに入れようとしているものは被害男性の死体だと分かっていて想定した検索をしたのでは?
A. 違います。
Q. 被害男性に会いに行くのにドールを保管していたキャリーケースを?
A. 買ったばかりでドールを保管していなかった。何かの目的で使うとして本人のものですから、特に気にしていなかった。
Q. 瑠奈は事前に犯行計画を説明していたのでは?
A. ございません。
事件当時の心境「早く逮捕…望んでいた」
Q. 警察に届け出ることは瑠奈を裏切ると?
A. 本人がこんなことをしてしまったと一言でも言ってくれたら自首を説得したと思います。親として、身内として突き出すことはできませんでした。早く逮捕していただけることを望んでいました。
Q. 頭部が自宅に置かれていることについてどう思っていたのか?
A. 非常によろしくないことで、早くこれが終わればいいなと思っていました。
Q. 瑠奈が頭部を持ってきたことの理由を聞いていないのは、計画を知っていたからでは?
A. それは知りませんでした。
Q. 逮捕されるまでは瑠奈が損壊するのは良しとしていた?
A. 結果として(瑠奈は)損壊を続けていましたが、我々はそれを良しとはせず、何らかのアクションを起こすべきだったと言われればそうかもしれません。被害男性や遺族などのことは全く考えていなかったわけではありません。目の前の娘のことで頭がいっぱいでした。
起訴状によりますと、父親の修被告は2023年、犯行に使われたのこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘の瑠奈被告(30)に提供。
瑠奈被告を事件当日に車で送迎したほか、瑠奈被告が殺害し、自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われています。
修被告は初公判で「娘の犯行を知ったのは事件があった後」などと起訴内容を否認し、無罪を主張しています。